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DeNAで新卒採用を担当する小川さん。本は電子書籍で読むという。

DeNAで新卒採用を担当する小川さん。本は電子書籍で読むという。

人気企業・注目企業が新人教育で使ったり、新入社員に推薦したりしている書籍と、各社の人材育成戦略を取り上げるシリーズ「社会人1年目の課題図書」。第18回はディー・エヌ・エー(DeNA)です。

1999年創業のDeNAは日本有数のメガベンチャー。ゲームやライブ配信などのエンターテインメント領域と、ヘルスケアなど社会課題の解決にも事業領域を広げている。就活生の間では「東京大学をはじめとする難関大学の出身者が多い」というイメージも強いだろう。

同社で新卒の採用と育成を担当している小川篤史さんが新入社員や若手社員に薦めるのは、『企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ』(日経BP)だ。「この本がフォーカスしている『ダイナモ人』は、人事としてこんな考え方を身につけて成長してほしいと期待する人材像そのもの。語り口は『ダイナモ人が活躍する組織を作るには』という組織のリーダー視点になっているので、就活生や若手には、『なぜこれがお薦め?』と思われるかもしれないが、ぜひそのエッセンスを読み取ってほしい」と話す。

ダイナモ(Dynamo)とはもともと「発電機」を指す。同書では「ダイナモ人」を「利他的な目的を掲げ、できない理由よりできる可能性に着目し、圧倒的熱量と行動力を伝播させながら人を巻き込む力を持つ人」と定義する。変革のリーダーや、イノベーションの先頭に立つ人はほぼ例外なく「ダイナモ人」だという。

『企業変革を牽引する新世代リーダー ダイナモ人を呼び起こせ』
著:知的創造プリンシプルコンソーシアム
出版:日経BP
 著者の5人は「知識経営」の提唱者、野中郁次郎氏(一橋大名誉教授)の薫陶を受け、イノベーションの研究やコンサルティングに従事してきたメンバーで、本書はその調査研究の一環から生まれた。イノベーションや変革の重要性は昔から語られているが、「変化を起こそうという気概も実践も今の方が低い」。それは「失われた30年」の間に日本企業が「予測可能な未来を前提に、効率を追求する」という経営原則を作り上げていた結果、情熱と行動力で自ら未来を作り出そうとする「ダイナモ人」が排除されてしまったからだという。後半では組織としてダイナモをどう見出し、育成するか、個人はどうすればダイナモになれるかを具体的に解説している。

同書では冒頭、多くの企業が叫ぶ変革やイノベーションは近年、失敗に終わるどころか「口先だけで本気で取り組まれてもいない」と厳しく批判。それは「計画」や「分析」「確実な実行」にたけ、これまで「優秀」とみなされてきた人材ほど、リスクを恐れ「バッターボックスにさえ立っていない」からだという。

小川さんは、「優秀」の定義の変化についてこう語る。

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