2022/7/14

かつては米国でも女性人材の活用は不十分だった。しかし女性を含むマイノリティー人材が、その能力にふさわしい職種につくようになったことが、米国の経済成長の理由の一つとされている。米国経済の1960年から2010年までの成長の20~40%は、こうしたマイノリティー人材の活用によって説明される[注4]。

望むと望まざるとにかかわらず、現代の国際ビジネス環境は女性活躍を求めている。対応できない企業は投資も受けられず、グローバル企業との取引機会も失う。女性活躍は企業の成長にとって不可欠なのだ。

※出典 [注1]内閣府「ESG投資における女性活躍情報の活用状況に関する調査研究 アンケート調査」

[注2]Kodama, N, Javorcik, BS, Abe, Y. Transplanting corporate culture across international borders: Foreign direct investment and female employment in Japan. World Econ. 2018; 41: 1148– 1165. https://doi.org/10.1111/twec.12612

[注3]Choi, J. and Greaney, T.M. (2022), GLOBAL INFLUENCES ON GENDER INEQUALITY: EVIDENCE FROM FEMALE EMPLOYMENT IN KOREA. International Economic Review, 63: 291-328. https://doi.org/10.1111/iere.12539

[注4]Hsieh, C.-T., E. Hurst, C. I. Jones, and P. J. Klenow, "The Allocation of Talent and US Economic Growth," Econometrica 87 (2019), 1439–74.
山口慎太郎
東京大学経済学研究科教授。内閣府・男女共同参画会議議員も務める。慶応義塾大学商学部卒、米ウィスコンシン大学経済学博士号(PhD)取得。カナダ・マクマスター大学准教授などを経て、2019年より現職。専門は労働市場を分析する「労働経済学」と、結婚・出産・子育てなどを経済学的手法で研究する「家族の経済学」。著書『「家族の幸せ」の経済学』で第41回サントリー学芸賞受賞。近著に『子育て支援の経済学』。

[日本経済新聞朝刊2022年7月4日付]