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写真はイメージ=PIXTA

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人事制度が多様化しています。上司の思惑一つで評価していた時代から、ノルマとしての業績評価、行動や能力評価などを経て、最近では「評価しない評価手法」としてのノーレイティングも広がりつつあります。それらの変化の本質は、ビジネスにおける価値そのものが重視されるようになっているからです。S、A、Bといった評価で社員をランク付けしないノーレイティングの手法を軸に、その変化を見ていきましょう。

好き嫌いで評価をしたい経営者が多かった

昇給額や賞与額を決めるために行われていると考えられている人事評価ですが、実際の目的は異なります。会社が大事にしている何らかの基準を確認し、その程度に応じて昇給額や賞与額を変化させ、やる気を高めたり、目標を達成させたりすることが本来の目的です。

昭和から平成初期にかけて、多くの会社での評価基準は「情意」でした。人事の専門家以外はあまり聞きなれない言葉ではないでしょうか。情意そのものの意味は思いや気持ちのことです。具体的には以下のような項目が使われてきました。

責任感:責任感を持って職務を遂行しているか
規律性:決められたルールや時間を守ろうという意識をもって職務を遂行しているか
協調性:関わる人たちと協調しようしながら職務を遂行しているか
積極性:自ら積極的に働きかけようと思いながら職務を遂行しているか
思いやり:他人に対して思いやりをもって職務を遂行しているか

このような情意評価が行われてきた背景には、職務遂行時の思いや気持ちが大事だ、という経営者の考え方があったと言われています。

しかし情意評価は大きな欠点を持つことから、ほとんどの会社で使われなくなりました。それは「上司の胸三寸で評価ができてしまう」という点です。

評価項目からもわかるように、「責任感を持って」「協調しようとしながら」「積極的に働きかけようと思いながら」というのは誰にも確認することができません。何を思っているか、なんて目に見えないからです。だから上司の好き嫌いで評価ができてしまうのです。

しかし、だからこそ情意評価は広まった、とも言えます。

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