東大から外資証券へて起業 仕事もモデルも自分基準でGENDA社長 申真衣氏(下)

「SEGA」ブランドのゲームセンター事業を買収するなどゲーム・エンターテインメント業界で注目を集めているベンチャー企業GENDA(東京・大田)。同社社長の申真衣氏(37)は「関西女子御三家」の一角を占める四天王寺中・高(大阪市)から東京大学経済学部に進んだ。金融工学を学んだことをきっかけにゴールドマン・サックス証券に入社。11年後の2018年、GENDAを共同創業した。ファッション誌「VERY」のモデルもつとめるなど多方面で活躍する同氏の原動力となった経験とは。

医学部に進学する生徒が多い四天王寺中・高で学んだ。父は医師で自身も理系科目が得意だったが、あえて文系を選択。東大文2に進学した。キャンパスでは「東大女子」ならではの疎外感も味わったという。

医学部に行かずに東大を目指したのは、敷かれたレールの上を歩くのは嫌だという反発心からです。特にやりたい仕事のイメージはなく、「東大に行けば何か見つかるんじゃないか」くらいの気持ちでした。

合格して大阪から上京し、東大のキャンパスに足を踏み入れて、最初に感じたのは孤独でした。同じ高校から東大に進んだのは2人だけでしたが、周りを見渡すと首都圏の中高一貫校出身者が多く、入学時点で友だちグループができているので、なかなかその輪には入れません。そして何より、女子の少なさがショックでした。当時も今も学部生では2割以下です。

しかも、最近話題になりましたが、東大には東大男子と他大の女子だけで構成される「東大女子お断り」のインカレサークルが多いんです。東大では女子は歓迎されていない。そういう空気をひしひしと感じました。女子校で育ち、何をするにも女子か男子かは関係ないという価値観が自分の中にあったので、「これが現実なのか」とがく然としました。

そういう居場所がない感覚、孤独感から逃れるためにも、女子の友だちが欲しいと思い、ラクロス部に入りました。前編でもお話したように私は運動が超苦手なのですが、女子部だけで成り立っているクラブはラクロス部しかなかったのです。背が高いので、とりあえずディフェンスに配置されましたが、案の定、ほとんど役立たずで活動は1年で断念。でも、当初の狙い通り、仲良しの友だちはできました。今も連絡を取り合って親しくしている友人も2人います。そのうちの1人は経営者。同じ立場にいる者同士、迷った時にもいろいろ話ができるので、精神的な支えになっています。

GENDA社長 申真衣氏

部活以外で楽しかったのはマクドナルドのアルバイトです。家庭教師など割のいいバイトもありましたが、マクドナルドが2年弱と一番長く続きました。従業員のモチベーションを高める仕組みがいろいろあって、私自身もやりがいを感じていたからです。毎朝、開店と同時に来るお客さんはだいたい同じ顔ぶれで頼むものも決まっているので、そういう常連さんがカウンターにたどり着くまでに、素早く準備して提供できるようにするとか、現場の工夫の積み重ねが結果につながるのが面白かったですね。

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