
突然、五十肩に襲われた。60歳なのに。な〜んだ、まだ若いってことね。なんて余裕だったのだ、初めは。しかし、数日のうちにどんどんつらくなってきた。ブラウスに袖を通そうとしたら、肩がガチッとブロックされて動かない。その時、息が詰まるくらいの痛みが襲ってきて、そのまま肩を押さえて10秒ほど身動きできなくなってしまった。
食器棚の皿を取ろうと腕を上げたら、痛くて胸の高さまでが精いっぱい。仕方なく、水切りに伏せてあったご飯茶わんにクリームたっぷりのケーキを入れた。映え、台無し……。
四十肩や五十肩は40代から50代に多発するからそう呼ばれているそうだが、まるで私のこれまでの人生でやってきたあれやこれやのバチが当たっているのかと思うくらいの痛みである。病名は肩関節周囲炎。肩関節の病気では最も多いそうだ。
3カ月前の左手首の骨折以降、かなり肩に頼った腕の使い方をしてきたことが原因か。もしかしたら、骨折時の衝撃で既に傷み始めていたのかもしれない。しかし、手首の方はとても順調に回復していて、診察やリハビリのたびに先生方から絶賛されていただけに、五十肩で通院継続となってしまったのは涙です。
発症は骨折のような激しい衝撃ばかりが原因とは限らない。むしろ、ちょっと手をついただけとか、何も思い当たらないという方が多いそうだ。肩関節や関節内の小さなインナーマッスル(腱板=けんばん)の経年劣化が関わる。
ところで、この経年劣化という言葉は医師や理学療法士の方々にとってはちょっと使いづらいらしい。「経年によってですね、今痛んでいる部分が少しずつ、こう言うとあれなんですが、衰えてくるんですね、すみません」って、別に謝らなくて良いです。患者の気持ちをおもんぱかっているんですよね。気遣っていただいてありがとうございます。