
テルチ(チェコ)
旅のヒント:ロマンチックなルネサンス建築と不朽の遺産が語り継ぐ物語に浸ろう
プラハの約145キロメートル南にあるテルチは、チェコの多くの村と同様に、優れた自己改革力を備えている。1530年、この村は大火に見舞われ、がれきと化した。だが、その17年後、テルチは華麗なルネサンス様式で再建された。ユネスコの世界遺産に指定されている中央広場の建物は切り妻屋根とアーチが特徴で、明るいシャーベットカラーが目にさわやかだ。
村の中心の地下を走る14世紀のトンネルを巡ったら、地上に出て新鮮な空気を吸い、次にセントジェームズ教会の塔に登ってみよう。村で最高の眺望が楽しめるはずだ。それから城の庭園を散策すると、ルネサンス様式の魅力を再認識できるだろう。

モンテファルコ(イタリア)
旅のヒント:歴史あるピアッツァ(広場)のにぎわいに包まれて、屋外の食事を楽しもう
イタリアのウンブリア州にあるモンテファルコには、ローマ時代以前から人々が定住し、ワイン用のブドウ園とオリーブ畑で知られている。サグランティーノという名高い赤ワインが生産され、毎年、イースターの頃にはワイン祭りが開催される。
この地元特産のワインを、モンテファルコのワインバーで試飲してみよう。名店のひとつが、「エノテカ・ラルキミスタ」(Enoteca L’Alchimista)だ。この店には、広いピアッツァに面したテラス席がある。専用の菜園で育てた農作物を使用し、地元産食材を取り入れた特製メニュー(トリュフソースのパスタに、削ったトリュフを載せた一皿など)が自慢だ。地元産ワインで、この村や旅のパートナーに乾杯しよう。
宿泊には、数百年の歴史を持つ民家を転用した宿や、近所の農業体験施設がお勧めだ。
(文 RAPHAEL KADUSHIN、訳 稲永浩子、日経ナショナル ジオグラフィック)
[ナショナル ジオグラフィック 日本版サイト 2022年6月26日付]