
ジベルニー(フランス)
旅のヒント:緑豊かな庭園とフランス印象派への賛歌
芸術家の中には、身近な環境からインスピレーションを得る人もいる。だが、クロード・モネほど、創作環境を丹精こめて整備した画家はいないだろう。パリから北西に約70キロメートル、ノルマンディー地方の川沿いの閑静な村、ジベルニーに、モネは40年以上も暮らしていた。ここは、モネにとって家であり、制作の題材であり、造園術を駆使して作りあげた景観だった。
モネが愛した睡蓮(すいれん)の池は、岸辺にシダレヤナギが並び、アーチ型をした緑色の橋が印象的だ。モネは、250点を超える油絵作品に睡蓮を描き、睡蓮に不朽の名声をもたらした。フランス印象派のファンなら、モネの家と庭を訪れ、近くのジベルニー印象派美術館にも足を運んでみよう。

クラーデスホルメン(スウェーデン)
旅のヒント:豪華なシーフード料理と島のすばらしい景観を楽しもう
スウェーデンの西岸にあるクラーデスホルメンは、小さな島だ。王領の島として、入植を認められた漁師たちが定住し始めたが、その後、ニシン貿易で繁栄した。
今では当時のにぎわいも失われたが、島には漁業博物館があり、バラに囲まれたパステルカラーのコテージも並んでいる。「ソルト&シル」という水上ホテルには、専用の桟橋を設けた客室も用意されているので、気が向けば、島の過去に敬意を表したニシン料理のディナーの前に、バルト海の澄んだ水に飛び込むこともできる。
カップルなら、町の波止場からボートやカヤックで港を出て、青い海を堪能するのもおすすめだ。

ルールマラン(フランス)
旅のヒント:食欲をそそるマルシェで買い物をして、ふたりでピクニックを
ルールマランは、フランス、プロバンス地方のアビニョンから東に約65キロメートルの場所にある。16世紀の古城がそびえ、石畳の広場があちこちに残っており、週の大半は南仏らしい昔ながらの村の静けさに包まれている。また、ピーター・メイルやアルベール・カミュなどの作家が住んだ村としても知られ、村の小さな墓地にはカミュの墓もある。
だが、金曜日がやってくると、静かな村は一変してにぎやかになる。金曜日の朝8時から、村の中心部のプラタナスの木陰で市場(マルシェ)が開かれるのだ。このマルシェでは、地元の人々が製作した工芸品、陶磁器、ラベンダーが香るせっけんやサシェ(匂い袋)なども並ぶ。
たくさんの店が並ぶマルシェで見逃せないのは、プロバンス産のオリーブ、ジャム、いちご、ワイン、ソーセージ、パン、ペストリーなどを売る店だ。早めに到着して、お目当ての農産物を買いこみ、古城の日陰でふたりのピクニックを楽しもう。