日経クロステック

仮移住は早めに実行しよう

転職だけでなく、リタイア後に地元に戻ることを選択肢として検討している方にも、この方法はお勧めです。仮に60歳で定年を迎えて地元に戻ろうと考えているなら、50歳くらいから仮移住を始めてもよいと思います。

少し早すぎるのではと思うかもしれませんが、もし仮移住して自分には合わないことが分かった場合、別の土地を探さなくてはなりません。また地域によっては、季節ごとに生活が大きく変わることもあります。そうなると、1年に2~3回はその土地で仮の永住体験をすることが必要になります。

UターンやIターンに代表される地方移住は、憧れだけではうまくいきません。また実際に行動を起こしてから「やっぱり都会に戻りたい」と思っても、そう簡単には戻れません。

商業施設や文化施設もチェーン展開が進み、一見どこに住んでも大きな不自由を感じることが少なくなりました。それだけに、永住する土地として合うか合わないかが分かりにくく、感じ取りにくくなってきています。

ですからぜひ、移住を決断する前に仮体験をしてみてください。まずは夏休みを利用することをお勧めします。

天笠 淳(あまがさ・あつし)
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。

[日経 xTECH 2022年8月4日付の記事を再構成]