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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。新型コロナウイルスの感染拡大は第7波が続いているが、来店客は微減といったところで、ビジネス書の売り上げも前年は上回って推移している。そんな中、書店員が注目するのは、内向型の人が職場で活躍できる実践的な方法を説いた、台湾人女性ビジネスパーソンによる本だった。

「静かな人」へのやさしい応援歌

その本はジル・チャン『「静かな人」の戦略書』(神崎朗子訳、ダイヤモンド社)。著者は米大学院を卒業後、州政府やメジャーリーグなど米国のさまざまな機関でキャリアを築いてきた台湾出身のビジネスパーソンだ。

「実際の私は、おとなしく恥ずかしがり屋の女性」だという著者が、「さまざまな職場で培ってきた知恵と経験」をまとめ、「『口数が少なくても、誰もが耳を傾ける』ような、自分の意見をきちんと主張するための実践的な方法」として読者に伝授するのが本書だ。副題に「騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法」とある。台湾でベストセラーになり、米国はじめ多くの国でも出版されて話題になった。

冒頭の「日本語版への序文」で著者は言う。「内向型であっても、外向型であっても、自分の個性を大切にして、安全地帯(コンフォート・ゾーン)から一歩踏み出すこと。他人に貼られたレッテルのせいで、自分の可能性を狭めてはいけないこと。この本でいちばん伝えたいのは、そういうことだ」

内向型の人たちに寄り添い励ます姿勢が読み手の心に響いてくる。ひとり反省会を繰り返してしまうような自身の体験がこまやかな描写でつづられ、そこからちょっとした工夫を引き出して読者に手渡していく。そんな書き方が本書を「静かな人」へのやさしい応援歌にしている。

入り口すぐの平台に2列並べて展示する(紀伊国屋書店大手町ビル店)

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