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BtoBマーケティングの重要性を強調する庭山一郎氏(撮影=桜井陽)

BtoBマーケティングの重要性を強調する庭山一郎氏(撮影=桜井陽)

仕事に役立つスキルを学び直すリスキリングは、経営者にこそ必要なのではないか。取材の中でそのような意見を聞くことが多い。そこで、BtoB企業のマーケティング支援を専門に行うシンフォニーマーケティング社長で、経営者向けの講演も多く手掛ける庭山一郎氏に、経営者にとってのリスキリングについて話を聞いた。

マーケティング=もうける科学

――今日は経営者のリスキリングがテーマです。現状をどう見ていますか。

庭山氏 BtoBマーケティングのコンサルティングを通じて、日本と欧米企業の経営層とお付き合いをしてきました。その中で、日本と欧米では、同じような業種、業態、規模であっても決定的な差があることに気づいたんです。それは、日本の場合、経営層にマーケティングを体系的に学んだ方がほとんどいないということです。

――マーケティングを学んでいないと、どのような問題があるのですか。

庭山氏 マーケティングを学ぶということは、要は「もうける科学」を学ぶことなんです。日本企業が全てというわけではありませんが、クライアントとゴルフやお酒のお付き合いをしていれば仕事が来るというような時代ではもうないですよね。でも、そんな世界観にどっぷりだと、もうける仕組みを考える必要がなくなりますし、結果、新しいことを学ぶこともなくなります。

実際、30年間も営業をしてきたような方でさえ、「新規顧客の開拓をしたことはありません。先輩から引き継いだ顧客を大切に守ってきただけです」という話は、結構あります。

値下げが最適解?

――もうける仕組みを学ぶことが、経営者あるいは経営層にとってのリスキリングですか。

庭山氏 日本の経営者は、もうけのメカニズムを知らないので、利益を上げるためのロジックを聞くと、すぐにディスカウントを始めてしまいます。最適解が値下げだと思っている。良い製品を作っても売れない原因は、ここにあります。既存の顧客に対して新しい製品やサービスをどう展開すればよいのかというノウハウがほとんどないように見受けられます。

――しかし、なぜもうけのメカニズムを知らないという状況が生まれるのでしょうか。

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