私服は「ジョブズ」流 同じ物を何枚も

――月~金は名古屋、東京での仕事も多く、4月から関西でのレギュラーMC番組も始まりました。移動の時はどんな服装が多いですか。

「東京は平均すると月に6往復くらいのペースで行きます。仕事に向かうときはいつも同じ服装です。お気に入りがデサントの細い黒のズボン。伸縮性があってランニングだってできる。上はアディダスのトレーナーで、今日は肌寒いのでその上にデサントの黒のダウン。靴はアディダスの白。一冬すべてこれで通しました。機能性重視で、動きやすく、暖かい。見た目はスポーツやっているんですか、という感じです。夏はズボンはそのままで、5種類のアディダスの半袖Tシャツを月火水木金と着ます。デサントのズボンは同型を3本持っていて、靴も2足同じものがあります」

「米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズさんとまったく同じ発想なんです。いつも朝は早くて7時までには家を出ますので、段取りをとにかく減らそうっていう考え。あれを着たいのに乾いていない、とか嫌ですもん。選ばなくていいのは楽ですし」

この冬のヘビーローテーションアイテムはデサントの黒ダウン。お気に入りだ。番組で着用したスーツのまま次の仕事場に向かう

――服選びに迷って時間をとられたくない、という方は経営者にも結構います。

「まったくそれ! 決断を迫られる物事を一つでも減らしたいんです。結果としてテレビでは衣装を着せていただきますし、会うスタッフはいつも一緒ですから、服装をあれこれ変えて好印象を考える必要もない。めちゃくちゃ汚い感じだけはやめとこう、と思いますけど」

――楽な服装が一番ですか。

「楽なこと。そしてもう一つのキーワードが『イキらない』こと。イキるって関東ではあんまり言わないですかね」

――近いニュアンスでいえば、これ見よがしではない、イキがらないということでしょうか。

「なんやろ。ええかっこしない、かっこつけない、かな。たまにいらっしゃるじゃないですか。ぱっと見た感じが威圧的な方が。僕はそう、一言でいうと威圧感をなくしたい。スタッフのみなさんとも後輩とも仲良くやりたい。もし、ギンギンの服装で威圧感出して、高い時計を着けて、金のネックレスして、という格好だったら怖いでしょ。今日はしていないですけど、普段の時計は980円くらいのシンプルなチープカシオ。時間が見れればそれでええやん、と思う」

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