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山本健人著 ダイヤモンド社

山本健人著 ダイヤモンド社

日々、当たり前のように呼吸をしたり歩いたりしている私たちの体は、実際にはどんな仕組みになっているのだろう。その疑問を外科医である著者が分かりやすく解き明かしてくれるのが本書だ。

驚くほど精巧で優秀な人体の仕組み、人が「病気」という状態に至るまでの経緯、医療の発展に貢献してきた医学の歴史、健康に関わる最新知識など、人体や医学に関する興味深い事柄がたっぷり詰め込まれていて、楽しく読み進められる。感染症をはじめ健康に関する不安が増している昨今。本書を読むことで、改めて自分の体が実によくできていることが分かり、前向きな気持ちにもなれる。

要点1 無意識に動けるのは深部感覚のおかげ

目をつぶったまま他人の鼻を触るのはほとんど不可能なのに、自分の鼻は難なく触ることができる。これはよく考えると不思議なこと。視覚を遮っても、体の各部の位置を正確に把握できるのは自分の体だけ。これは「深部感覚」といって、体が常に位置情報を発信し、脳がそれを受け取る機能。私たちが何も考えずに真っすぐ歩いたり、コップの水を飲んだり、服を着替えたりできるのは、この感覚が備わっているおかげなのだ。

要点2 体温をほぼ一定に保つことのすごさ

体温を測定して38℃だったら高いと感じて病気を疑うだろう。34℃だったら測定ミスだと思って測り直すはず。だが、これらの数字と平熱との差はほんの2〜3℃。真夏は40℃近く、真冬は氷点下にもなる環境で、これほど狭い範囲に温度を維持できるのは、人間を含む恒温動物の特徴だ。脳の体温調節中枢が決める設定温度に合うよう、体温は絶えず自動調節される。暑いと汗が出て熱の放散を促し、寒いときは筋肉の震えなどで熱を産生すると同時に、血管が収縮して熱が逃げるのを防ぐ。なお、体内に炎症が起きると設定温度が高く設定される。これが「発熱」であり、免疫機能を活発に働かせるための仕組みだ。

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