民間にも波が及ぶ。富士通はAIにおいて倫理面での課題がないか評価しやすくする手法を開発し、無償公開を始めた。欧州委員会のAI倫理ガイドラインをもとにした「AI倫理モデル」と照らし合わせ、確認すべき事項を自動的に抽出する仕組みだ。問題が起きないよう、事前の対処手段として活用できる。

AIの判断を補正するため、開発段階からダイバーシティを確保する視点も必要だ。男女平等な社会を実現するために定めた第5次男女共同参画基本計画では「AIなどの最先端の技術開発やサービス提供で、男女がともに参画し、恩恵を享受できることが重要だ」としている。

今後ますます身近になるAIについて、ひとりひとりが日常的に「AIにバイアス(偏見)はないか」と考え続けたい。

スプツニ子!
アーティスト、株式会社Cradle代表取締役社長。インペリアル・カレッジ・ロンドン数学科、情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院デザイン・インタラクションズ専攻修士課程修了。テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映した映像インスタレーション作品を制作。2013年マサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教に就任。その後、東京大学大学院特任准教授を経て、19年から東京芸術大学デザイン科准教授。https://cradle.care/

[日本経済新聞朝刊2022年5月2日付]