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総務省の「令和2年通信動向調査」によれば、新型コロナウイルス禍をきっかけに企業におけるリモートワークの導入が急速に進み、在宅勤務やモバイルワークを導入する企業の割合は前年比で倍以上の47.5%に達しました。産業別では「情報通信業」が9割以上と最多。通勤時間の軽減や物理的な出社頻度も減ったことでワークスタイルそのものが変わってきています。今回と次回の2回にわたり、リモートワークの環境下における「これからのワークスタイルと人材マネジメント」「人が対面で仕事をする意義やオフィスのありかた」について考えてみます。

在宅勤務をめぐる会社と社員の温度差

「在宅勤務は当社の企業文化に合うものではない」「私たちのような徒弟制度のカルチャーではリモート勤務は理想的ではない」「在宅勤務は生産性に悪影響を及ぼしている」………。在宅勤務を中心としたリモートワークが日常になりつつある中、一部の企業トップはリモートワークの継続に否定的な見解を示しています。日本企業では、会社側は在宅勤務の常態化にさまざまな懸念点があることから「出社は必要」との見解が多く、一方で社員側はリモートワークの継続に賛成(出社の必要性を感じない)の見解が多いようです。このような見解の相違がなぜ生まれるのでしょうか?

立場により異なる"理想的なワークスタイル"

この理由は、組織の中で置かれている立場によって在宅勤務に対する感じ方が違うからです。例えば、経営幹部や管理職は、社員を管理・指導する立場からリモートワークや在宅勤務は「効率的ではない」と考えています。一方、社員は自分の仕事を円滑に遂行する観点から「効率的」と考えており、特に自分の業務範囲・成果が明確で自律的に業務を遂行できる能力のある社員に顕著です。このような立場の違いによる考え方の溝は簡単には埋まらないでしょう。

リモートワークは定着したが……管理職と社員の間にギャップも(写真はPIXTA)

リモートワークは定着したが……管理職と社員の間にギャップも(写真はPIXTA)

しかし、将来の「あるべき姿」から今の仕事の捉え方をお互いに考えることで妥協点が見いだせるかもしれません。両者の見解は、今の業務を効率的に進める観点で是非を語っていますが、「将来のビジネス環境変化から今の業務や人材マネジメントはどう変わりそうか」といった未来を見据えた管理・業務のありかたからアプローチすると見え方は変わってきます。もしかすると、経営幹部や管理職は「対面による人材マネジメントがベスト」という思い込みから抜け出せていない可能性も考えられます。

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