変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

インターネット上で一人ひとりに最適な資産運用プランを提案し、自動で運用までを担う投資一任型の「ロボアドバイザー」サービスが成長している。2016年にサービスを開始したウェルスナビは、現在ユーザー33万人超、預かり資産7000億円超の最大手だ。最高経営責任者(CEO)の柴山和久氏(44)は東大から財務省に入り、米ハーバード・ロースクールと仏ビジネススクールINSEADを修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーをへて起業した。順風満帆のキャリアに見えるが、思いがけない事態に幾度も遭遇、経済的にも精神的にもギリギリまで追い詰められたこともある。起業もまったくの想定外だったという。その山あり谷ありの人生とは。

北海道育ちの自然児が都会へ

さえぎるもののない大きな空、ススキ野原の向こうに広がる牧草地、のんびりと草をはむ馬。

柴山和久氏にとっての原風景は、3歳から7歳までを過ごした北海道帯広の雄大な自然だ。日が暮れるまで外を駆けずり回り、幼稚園や小学校ではガキ大将。冬になると校庭のスケートリンクを学年トップの速さで滑る活発な子どもだった。

父の転勤に伴い小学校2年で神奈川県に引っ越した日、見上げた空の狭さにショックを受けた。都会の環境になじめず、学校が終わると逃げるように図書館に直行した。そこで中国の歴史書「史記」にハマった。「北海道が恋しくて、遠い世界に逃避したかったのか、何度も繰り返し読み通した」。内にこもりがちだった息子を心配した両親から、「環境を変えてみては」と勧められ、筑波大付属駒場(筑駒)中学を受験。無事合格した。

筑駒では行事、とりわけ文化祭に熱心に取り組んだ。前例踏襲をよしとせず、毎回自分たちで時間をかけて議論し、一から決めていくプロセスが楽しかった。高3の時には模擬店のリーダーとして、それまでなかった「金券制」の導入に汗を流した。

「もともとはメニューごとに食券があって、お客さんはその食券を買うために長蛇の列に並び、その後また各メニューの販売窓口に並ぶ方式だったので、食べ物を手にするまでにすごく時間がかかっていた。しかも『焼きそばは混んでいるから、うどんに変えよう』といったことができず、お客さんにとっても運営側にとっても非効率でした。そのボトルネックを解消したいと思い、メンバーからアイデアを募って1枚70円など金券型の共通チケットを用意し、各メニューの価格もその倍数になるよう設定したんです。その結果、行列が解消されお客さんも大喜び。利益も過去最高、大幅な黒字となりました。こういう行事を通じて、仲間と一緒に課題解決に取り組む楽しさを学べたのは本当に良かったし、今ウェルスナビでやっていることにもつながっていると思います」

ウェルスナビCEO 柴山和久氏

ウェルスナビCEO 柴山和久氏

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック