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女性ホルモンの減少に伴う更年期の不調に苦しむ中高年女性は多い。更年期に対する理解を深め、働く女性を支えようとする動きが、企業や政府の間で活発になってきた。就業率が高く人口も多い層だけに、この世代が健康に働けるかどうかが社会全体の生産性にもかかわってくる。

損保ジャパン 研修を実施、男性含め約300人参加

「治療で良くなることを知ってほしい」「更年期障害の要因には環境もある。サポートする、という思いを周囲が持つことが大事」

損害保険ジャパンは3月上旬、グループ会社と更年期をテーマにオンライン研修を実施した。あおもり女性ヘルスケア研究所所長で医師の蓮尾豊さんを招き、更年期の不調の原因や治療法を説明してもらった。蓮尾さんは「更年期の不調で迷惑をかけている周囲に申し訳ない」「更年期手前でただただ怖い」などの社員の声にも一つ一つ応じた。

同社は女性従業員が6割を占める。研修を実施したのは「女性が健康で働くことが会社全体の生産性や幸福度向上につながる」(人事部担当者)と考えるからだ。この日は男性を含め300人近くが参加。社員からは「職場や家庭で理解が進むと、(当事者との)関係づくりがスムーズになる」などの感想が集まった。

過去3年以内に更年期症状経験 50~54歳の半数超

女性が閉経を迎えるのは50歳前後が多く、閉経を挟む45~55歳ごろを更年期と呼ぶ。卵巣の働きが低下して女性ホルモンの分泌が急減し、不調が出るのが更年期症状だ。顔のほてりやめまい、発汗、頭痛などの身体症状に加え、憂鬱な気分や不眠、集中力低下など精神面の変化がある人もいる。個人差は大きく、症状が出ない人もいる。

問題は女性ホルモンを補充する治療法など対処法があるのに、理解が進んでいないことだ。NHKや労働政策研究・研修機構などの共同企画による調査(2021年)では、3年以内に更年期症状を経験した女性は50~54歳で52%、45~49歳で35%を占めた。このうち受診しなかった人は7割近くに及ぶ。

受診しても適切な医療を受けられない例もある。「更年期という発想が婦人科以外の医師には少なく、ドクターショッピングしてしまう女性はたくさんいる」。女性からの電話相談に応じる一般社団法人女性の健康とメノポーズ協会(東京・新宿)理事長の三羽良枝さんは話す。

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