――『TRICK』では自称天才マジシャン(仲間由紀恵)や『SPEC』ではIQ201の天才女性刑事(戸田恵梨香)など監督の作品は超個性的な主人公や変人が多いですね。

毎回、変わったものを作ろうと思って作っているわけではないんです。でも、用意された台本にどうアクセントをつけていくかというところで、主役もその一部だからと考えているうちに主役が面白くなり過ぎちゃって。逆に犯人まではそこまで手が回らなくなって、意外にまっとうになってしまったり(笑)。今回の儀藤も、それに近いですね。

地上波ではできない工夫も

――儀藤に“パシリ”と呼ばれる連絡係の警察官・南川メイ役の前田敦子さんもちょっとつかみどころのないキャラクターを演じていますが、いかがでしょう。

前田敦子さんは、暗い雰囲気の儀藤に対して好対照というか。とてもいい立ち回りを演じている。声の出し方やテンポもいい。彼女は女優として相当にスキルが高いんですよ。その昔、AKB48の神セブンと言われて、『フライングゲット』のミュージック・ビデオを撮ったときに気づいて、『イニシエーション・ラブ』でも難しい役どころを演じてもらいましたから。

前田敦子さんが演じるのは、連絡係として様々な手配を請け負う警察官・南川メイ。「彼女は女優として相当にスキルが高い」と堤監督も評価する

――毎回替わる相棒役やそのほか、キャストも個性的な方たちが多いのですが、監督の意向ですか?

メインどころはプロデューサーが決めているんですが、そのほかは私がよく仕事をしている俳優さんたちをリクエストしています。第弐話に出演の広山詞葉さんや、カゴシマジローくんなど突き抜けた芝居をしてくれるので、今回も撮っていて楽しかったですね。最終話では『半沢直樹』の土下座で有名になった佃典彦さんにも出てもらいました。僕の好きな仲間がいっぱい出ています(笑)。

――今回、配信だからこそ新しく挑戦したことはありますか?

ちょっとノイジーな作品を作りたいと思って、映像の色彩感などは工夫しています。実は90年代に『金田一少年の事件簿』などを撮っていたときに挑戦したことがあったんですが、地上波放送の放送基準があって、その枠の中でしかできなかったんです。配信にも配信なりの画像の基準はあるんですが、地上波より自由度が高くなる。たとえば、見ていてイライラするような暗さとか、画像が荒れているように見えるシーン。光が二重にだぶったようなシーンもそう。地上波でそれをやると「ちょっとアバンギャルドすぎるんじゃないですか」と言われるんですけど、配信だからやってみました。

――今回のドラマのセールスポイントを教えてください。

田中圭のキャラクターや、個性的なキャストが多数出ていることや、映像もユニークなことが魅力的だし、えん罪事件専門の捜査官の話というのは今までにないし、何より真実を暴く爽快感みたいなものが得られると思います。でも、実は骨太のちょっと規格外の刑事ドラマであり、そこにはウエットな人間ドラマがあることをお伝えしたいですね。全6話で見やすいサイズだし、配信だからスマートフォンで見たり、テレビサイズで見たり。どんなときにも楽しんでもらえると思います。

――続編はありそうですか?

それはもう、皆様のご支持をいただければ、いつでも田中圭ともどもはせ参じようと思っております(笑)。

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