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先行き不透明な時代だからこそ新しいキャリアデザインが必要だ

先行き不透明な時代だからこそ新しいキャリアデザインが必要だ

人生の先は誰にも見通すことができない。経済の動向や所属する会社の業績といった外部環境の変化だけでなく、個人レベルでも予期せぬ愛する人の死や自分自身のまさかの病気など、私生活の想定外の異変に直面することもあるだろう。そうした中で、自らのキャリアをどう描き、実行に移すか。キャリアのゴールは必ずしも職業ではなく「なりたい自分になる」こと――。こうした視点から、あるべきキャリアデザインの考え方を説くのが、本書『「目標が持てない時代」のキャリアデザイン』だ。

基本的な手順として4つのステップを紹介しながら、トレーニング形式で実践的に「自分らしさ」を発掘するための手法を指南してくれる。コンサルタントとしての著者の豊富な知見が随所にのぞく。さらに、さまざまな人とのつながりをもとに転職に踏み切り、満足のいく過ごし方を手にしたビジネスパーソン個人のエピソードや、社員のキャリア開発に取り組む企業の事例も盛り込みながら、解説する。社会人生活に慣れ、ふとこれまでの人生を振り返り、この先を考えようとする若手リーダーにも手をとってほしい一冊だ。

◇   ◇   ◇

著者の片岡裕司、阿由葉隆、北村祐三の3氏はいずれもコンサルティング会社ジェイフィール(東京・渋谷)のコンサルタント。人材育成や組織変革を専門に手掛けています。片岡氏はアサヒビール勤務、阿由葉氏は外資系の人材サービス会社、北村氏は金融会社勤務を経て参画するなど、それぞれの業務経験を生かしたコンサルティング業務を展開しています。

キャリアデザインの目的は柔軟に

AI(人工知能)やあらゆるモノがインターネットにつながるIoTの普及といった技術進化に加え、少子高齢化時代を背景にした人口減少などの構造的な社会問題、さらに、昨今、降りかかった新型コロナウイルス感染拡大など、経済・社会は驚くべきスピードで変化を繰り返す。予期せぬ事態に直面し、不透明感を増しています。ビジネスパーソンにとっても自身のキャリアを描くことが難しくなっているところに、著者の問題意識はあります。キャリアの目標を探しにくくなった状況を、本書は「目標喪失時代」と定義づけ、自らのキャリアデザインの描き方を説いているのが狙いともいえます。

そうした環境でも「大切な目標を失うことは確かにショックな出来事ですが、見方を変えれば、目標を失った先にいる、想像すらしなかった新しい自分と出会えるチャンスでもあります」。冒頭でそう記すとおり、本書の全編を通じて流れるポジティブな発想が特徴です。

そのためには、目標を次々と自分自身で生み出し、自らのキャリアの目的(パーパス)を生み出す、そうした意識転換が必要だ。昇進や年収アップという従来の価値基準にとらわれず、キャリアを通じて自らの価値を高めようと呼びかけています。

そのために著者が提案しているのが以下の4手順です。

①キャリアの目的を育てる
②体質改善に取り組む
③目標をたくさんつくる
④キャリアを楽しく実験する

体質改善という言葉は、筆者によると、成長のための体質強化という意味が込められています。つまり、仕事でも仕事以外の趣味でも何でも、新しい領域に挑戦する原動力ということになります。

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