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イノベーションの担い手として期待を集めるベンチャー企業。これまでベンチャーに投資できるのは、機関投資家や起業家かいわいとつながりのある一部の富裕層に限られていた。それを一般の個人投資家にも可能にしたのが、株式投資型クラウドファンディングだ。その日本初のプラットフォームとして2017年に誕生した「FUNDINNO(ファンディーノ)」は現在取引量で8割のシェアを握る。運営元のFUNDINNO(旧日本クラウドキャピタル、東京・品川)自体もベンチャー企業であり、最高経営責任者(CEO)の柴原祐喜氏(37)は31歳の時、金融業界の経験ゼロで同社を立ち上げた。チャレンジの背景には何があったのか。

起業家ってかっこいいな

柴原祐喜氏のプロフィルでまず目につくのは「2009年カリフォルニア大学卒業」という経歴だ。帰国子女、もしくは最近増えている私立中高一貫校からダイレクトに海外有名大学を目指す動きの先駆けかと思いきや、出身は普通の公立高校だという。当人いわく「本当に平凡な高校生でした」。大学進学にも興味が持てず、特にこれといった活動もしていなかったが、唯一、心を揺さぶられるものがあった。

「起業家ってかっこいいなと。ちょうど僕が高校に入った2000年代の初め、日本は第3次ベンチャーブームに湧いていました。孫正義さんなどが華々しく活躍していて、海外だとやはりビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズが目立っていました。彼らの姿を見て、自分自身でチームを作って何かを成し遂げる起業家になりたいと思いました。1つの目標を達成してみんなで喜びを分かち合える組織を作ることに夢を感じたのです」

起業といえばシリコンバレーであり、憧れの孫正義氏もカリフォルニア大に留学していた。であれば自分もとりあえず米西海岸で英語を学びながら、いろいろ見て回りたい。高校生らしい単純さで、卒業と同時にロサンゼルスの語学学校への留学を決めた。息子の無計画ぶりに両親はあきれ、反対したが、それを押し切りアルバイトでためた資金で渡米した。

しかし当然のことながら、資金は半年で枯渇。もう少し米国に残りたいと両親に援助を願い出た。そこで出された条件は「アメリカ国内の名のある大学へ進学すること」。高校時代はまったくと言っていいほど勉強していなかっただけに、高すぎるハードルに思えた。

しかし、条件をクリアする以外に米国に残れる方法はない。まずは公立のコミュニティーカレッジに入って猛勉強し、目標としていたカリフォルニア大への編入を果たした。バークレー校とアーバイン校で経済と金融工学を中心に学んだ。成績評価の平均値であるGPA(Grade Point Average=履修科目1単位あたりの成績平均点)が基準を下回ると退学という厳しいルールの中で、文字通り寝る間を惜しんで勉強した。

FUNDINNO代表取締役CEO 柴原祐喜氏

FUNDINNO代表取締役CEO 柴原祐喜氏

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