動画配信U-NEXT 「子どもが学べるチャンネル」目指す

日経エンタテインメント!

有料の動画配信サービス「U-NEXT」が子ども向けのコンテンツに力を入れている。2021年11月には子ども向けテレビ番組として長い歴史を持つ『セサミストリート』などを手掛けるグローバルな非営利教育団体セサミワークショップと国内の独占配信契約を締結した。目指すのは「子どもに動画を見せることに対する親の罪悪感を取り除くこと」だという。作品調達の責任者に話を聞いた。

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様々な企業がしのぎを削る定額動画配信サービス。その中で見放題作品数No.1を誇る日本の動画配信サービスがU-NEXTだ。22万本以上の映画、ドラマ、アニメが見放題で楽しめるだけでなく、劇場公開・放送されたばかりの最新作を含む3万本以上のレンタル作品、さらに70万冊以上のマンガや書籍と、多様なサービスを用意している。

20年には有料会員数200万人を突破。コロナ禍で飛躍的に拡大した動画配信サービス売上市場におけるシェアでは、Netflix、Amazonプライム・ビデオに次ぐ位置にあり、国内サービスとしてはシェア1位を獲得した[※GEM Partners「定額制動画配信(SVOD)サービス別 市場シェア推移」]。またライブ配信のほか音楽コンテンツも強化しており、「観る」「読む」「聴く」を1つのアプリで提供する「オールインワン・エンターテインメント戦略」で、他社との違いを打ち出している。

21年は米大手メディア企業であるワーナーメディアやバイアコムCBSとSVODの新作海外ドラマにおける独占パートナーシップ契約を締結した。また韓国芸能事務所のCUBEエンターテインメントとの業務提携契約も締結するなど、U-NEXTでしか見られないコンテンツを充実させる「ONLY ON戦略」を強く打ち出し、独自色をアピールすることでブランド力を高めている。

U-NEXTは、HBOやワーナーメディアをはじめ、海外のスタジオと直接契約をしている

そんなU-NEXTの新たな一手が、「キッズジャンル」の強化だ。

U-NEXTの全作品調達を統括する同社取締役最高執行責任者(COO)の本多利彦氏に、U-NEXTのキッズジャンル戦略とその展開について、話を聞いた。

セサミワークショップと国内独占配信契約

21年11月に同社は、セサミワークショップとの日本国内の独占配信契約を締結した。セサミワークショップは、世界的に知られる『セサミストリート』をはじめとする、様々な教育的活動、および子ども向けエンターテインメントを手掛けるグローバルな非営利教育団体だ。キッズジャンルはどのプラットフォームも注視する分野でもあり、この契約は大きな注目を集めた。

U-NEXTは、『セサミストリート』の日本独占配信とともに、「学べるU-NEXT」をスタート
21年11月10日に開催された「U-NEXT キッズジャンル戦略発表会」より。左からU-NEXT代表取締役の堤天心氏、CANVAS代表取締役CEO石戸奈々子氏、NPOセサミワークショップ日本代表の長岡学氏、本多氏

1969年に誕生した『セサミストリート』は、「世界中の子どもたちがかしこく、たくましく、やさしく育つよう支援する」という理念を掲げ、50年以上にわたって世界150以上の国と地域で、良質な教育を届けてきた実績を持つ。U-NEXTでは現在、30作品247エピソード(1月中旬時点)のテレビ番組、読み聞かせ動画のほか、電子書籍10タイトルを配信している(2022年1月時点)。今後も追加エピソードを順次配信するほか、共同制作などをはじめ、セサミストリートのコンセプト・世界観をさらに広めていくために包括的なパートナーシップを築いていく。また『セサミストリート』の配信開始と同時に「学べるU-NEXT」もスタートした。

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セサミストリートで多様性を学ぶ