年収を上げたければ自分のスキルを「見える化」

――その転職は寺沢さんのキャリアでどんな意味を持ちますか。

これまで培ってきたスキルをきちんと「見える化」して伝えることで、責任ある役職を与えてもらい、自分の可能性が大きく広がったと思っています。年収も最終的に前の会社の3倍ほどに上がりました。

このキャリアアップに至るまでに大切にしていた思考法や仕事のノウハウを電子書籍にまとめて出版したところ、大きな反響がありました。これを機に商業出版に至り、副収入が得られたこともあって、2021年9月末でいわゆる「FIRE」も実現しました。

――40歳で異業種の外資系企業へ転職することに不安はありませんでしたか。

僕は未知の領域に飛び込んでいくことに対してストレスを感じず、ワクワクできる方です。それに、業界に関わる知識や物事を進めていく上での「作法」は新しく学ぶ必要があるけれど、マーケティング職で培ったデータを分析する力や、経営企画職で鍛えたさまざまな部門の人を巻き込む力は、異業種でもそのまま通用すると確信していました。勤務先からもそれを期待されて入社したわけですから。

転職時に年収だけを基準にするのは危険だ

年収は一般的に業界や職種にひも付いているといわれます。僕は転職するときに年収だけを基準にするのは危険だと思いますが、もし年収を上げたいという気持ちがあって、異業種に領域を移せばその目的が達成されるのであれば、どうすべきか。まずは面接対策として、自分が今やっている仕事内容をとことん深掘りして言語化してみるといいでしょう。

「どんな仕事を経験してきましたか」と聞くと、「営業です」「システムエンジニアです」といったように、職種や部署でしか語れない人がよくいますが、これではいけません。何のために、どんなことで、どのように行動することで成果を出してきたのか。自分を深掘りして具体的に説明できるようになれば、「次にどんなことをしたら、よりレベルアップできそうか」「他の領域で自分のスキルを生かせそうか」ということについてもロジカル(論理的)に説明できるようになります。

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