万人向けの「いい会社」は存在しない

――他の業界に移りづらい業種の人もいると思うのですが、「軸ずらし転職」は誰にでもできる方法でしょうか。

例えば、保育士さんが転職を考えるとき、他の保育園の保育士を考える人が多いと思いますが、少し視野を広げれば「保育園に玩具を卸すメーカー」なども転職先になるはずです。「自分ならこんなおもちゃを入れる」とか「こういうスペックにすると使ってもらいやすい」とか、そういったことがわかると活躍できるポジションにいけば、転職で年収を大きく上げられる可能性があります。公務員の方なら、昨今の企業は大手もベンチャーも「お役所」への営業にハードルを感じているはずですから、元公務員で役所のルールや中の環境を知っている人の採用には大きなメリットを感じてもらえるはずです。このように、少し視野を広げて、今いる自分の環境やもっている知識を生かせる転職先を考えることだと思います。

――転職エージェントの活用法については、何かコツはありますか。

労働市場における自分の価値は、客観的に見なければわかりません。社内評価ももちろん大事ですが、たとえ社内での評価が高かったとしても、外に出たときに通用するかはわかりません。社外には、もっとすごい人もいますし、逆に自分より大したことをしなくても高い年収をもらっている人もいます。エージェントと付き合うことで、外の世界がどうなっているのかを知ることができます。今すぐ転職の意思がなくても、外を見る目的で彼らと話をすることは自分を把握する判断基準になるのでいいですし、彼らも転職しそうな人は囲っておきたいので対応してくれるはずです。

moto代表取締役のmoto(戸塚俊介)さん(ウェビナー中の画面から)

――具体的に転職活動を進めるために必要な「職務経歴書」。いい職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらえますか。

多くの人は職務経歴書を1つ作ったら、それをいろいろな企業に送ると思いますが、僕は企業ごとにすべて変えています。企業が求人を出すのは、「こういう人を探しています」という「ほしい人材」がいるからです。企業の求人票は同じように見えるかもしれませんが、求められる能力が少しずつ違ったりしています。企業が何をほしいと思っているのかを見た上で自分をアピールすることが大事です。「軽自動車がほしい」と言う人にフェラーリのパンフレットを見せても、あなたは「完璧なものを見せている」と思うかもしれませんが、相手には刺さりません。相手が求めているものを考えた上で職務経歴書を作ることが大前提だと思います。

――いい転職先の見つけ方について教えてください。

誰もが思う「いい会社」は世の中にないと思います。「自分に合うか合わないか」が判断基準ではないでしょうか。その上で、僕が思う「いい転職先」の定義は「自分が評価される会社」です。例えば営業職なら、大手にいくよりも、無名でもサービスがいい営業に困っている会社にいけば、営業成績をどんどん出すことで自分の成果は明確になります。「あの人がきて会社が変わった」と思ってもらえれば、自分も気持ちがいいし会社もwin、お客さんもwinです。そういう会社に身を置くことが「いい会社に転職したな」と思う1つのポイントだと思っています。

ただ、これは人それぞれなので、ワークライフバランスが取れる会社がいい人もいれば、天井なしに年収が上がる会社がいい人もいると思うので、まずは自分の中で「何を大事にしたいのか?」を考えることだと思います。

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