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写真はイメージ(PIXTA)

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英語コーチングスクール『TORAIZ(トライズ)』主宰、三木雄信です。連載第1回では「英語研修に失敗する企業の3つの特徴 研修担当者必見」と題しまして、英語研修で陥りがちなミスについて解説しました。今回からは、逆に成功するための条件についてお伝えしていきたいと思います。

まず、認識しておかなければならないのは、大人の学びと子供の学びは違うということです。これは英語だけでなく全ての学びに共通することです。しかし、この点をスルーしたまま、学校での英語学習の延長線上で企業内の研修も行われていることが大きな問題なのです。

大人の学びと子供の学びは違う

英語研修の本題に入る前にまず、そもそも大人の学びとは何かについて整理しましょう。

英語で教育学とは、ペダゴジー(pedagogy)と言います。語源はギリシャ語で、"peda"は「子供」で"gogy"は「教える」です。つまり子供に向けたものなのです。これに対して、大人向けの教育学は、アンドラゴジー(andoragogy)という言葉で子供向けとは区別されることがあります。

"andora"が「大人」で"gogy"は「教える」という語源からきています。アンドラゴジーの考え方は、1970年代にアメリカの教育研究家のマルコム・ノウルズによって提唱されました。

ペダゴジーとアンドラゴジーを比較してみます。

ペダゴジー(子供の教育学)では、何をいつどのように学習するのかについて、学習者(子供)ではなく先生などの教育者が責任を持って決めます。学習する内容も、子供たちではなく専門家の知見がベースになります。

また、標準化されたカリキュラムを同世代の子供とともに学ぶことが求められます。さらに、学習した内容は「今」ではなく将来役に立つことが前提になっています。

一方、アンドラゴジー(大人の教育学)では、大人は主体的に意思決定をしたい存在である、という前提から出発します。大人が持つ様々な経験そのものが学習教材となります。

また、大人の学びは「問題に対処するために学びが必要だ」と自らが考えたタイミングで準備が整います。教育的な立場の人は学ぶ人を支えるのが役目です。そして、学習した内容は「将来」ではなくすぐに活用したいのが大人です。

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