――具体的には?

「取り入れやすさでいえば、ロイヤルエアフォース(英空軍)の式典用『ドレストラウザー』ですね。上品なシルエットで、ミリタリーウエアにありがちな武骨さが薄いです。幅広い体形の人に対応できるようサイズが豊富なのも、軍用の服ならではです」

――ミリタリーウエアにも色々あるのですね。他におすすめのアイテムはありますか?

「バブアーのオイルドジャケットですね。新品もセレクトショップなどで手に入りますが、古着とはオイルの成分や生地、シルエットが異なります。独特の“渋い”たたずまいは、古着ならではだと思いますね。特におすすめのモデルは『ボーダー』です。定番モデルの中で唯一ラグランスリーブではなく、セットインスリーブ(肩から脇下にかけて生地が切り替わった、最も一般的な袖型)の形です。スーツとも相性が良い形なので、ビジネスシーンで着用される方もいますよ」

古着×新品のコーデ 英軍パンツを軸に

――今回は古着を使ったコーディネートを3組用意してもらいました。まずはスラックスとコートを合わせた着こなしです。

「先ほどおすすめした、ロイヤルエアフォースのトラウザーを軸にしたコーディネートです。このアイテムが持つエレガントな雰囲気と相性がいい、新品のロングコートを取り入れてみました。コートとパンツの色味がネイビーで統一されているのもポイントですね」

コート 14万800円(S.E.Hケリー)、スエット 1万8700円(モクティー)、パンツ 8580円(英軍)、4万3780円(ドクターマーチン)、ソックス(私物)

――インナーはスエットですね。

「ドレッシーなアイテムが中心なので、カジュアルな印象のスエットを選びました。スエットを着用する際は、リブの部分を内側に折り返すと腰回りがもたつきにくいですよ」

――パンツの丈は短めですね。こだわったポイントを教えてください。

「実は15年ほどスケートボードをやっていまして、裾丈が短いと動きやすいので好きなんです。その点、このトラウザーはサイズ展開が豊富で、裾上げをしなくてもいい一本が見つかるのがうれしいですね。着丈の長いコートを合わせているので、足元でバランスを取るという狙いもあります」

スエットのリブを折り返した様子。きれいめな印象にしたいなら、リブが少しだけ見えるように折り返すのがポイントという
「ソックスは、グリーン系を選びました。ネイビーのパンツ、ホワイトのシューズの両方と相性がいいんです」

――シューズは真っ白です。

「足元は春を意識した白がいいと思い、ドクターマーチンのデッドストックの一足を選びました。1990年代に作られたもので、当時のモデルならではの細身のシルエットが魅力です。また、アウターとボトムス、シューズを英国のアイテムでまとめているのもさりげないこだわりです」

全身古着のワントーンコーデ “ごちゃまぜ”が肝

――2組目は白のアイテムで統一したコーディネートです。

「全身をユーロビンテージのアイテムでそろえてみました。アウターはスウェーデン軍の40年代のスノーカモパーカー(雪原用迷彩の白いアウター)、インナーはワーク用のカットソー、パンツは欧州製のデニムパンツを合わせています。用途や年代が異なるものを選ぶのがポイントですね。例えば、全身をミリタリーウエアでまとめると“コスプレ”になってしまいますから。その上で、素材感やシルエット、全体の色合いを統一すると、違和感のないコーディネートにまとまりますよ」

コート 1万780円(スウェーデン軍)、シャツ1万4080円(古着)、パンツ 1万780円(リーバイス)、シューズ 7150円(イタリア軍)

――全体のシルエットで気を付けた点は?

「アウターがゆったりしているので、細身のパンツやカットソーを合わせてバランスをとっています。細身のアイテムにしたのには、白が膨張色という理由もあります」

SUITS OF THE YEAR 2022
Watch Special 2022
SPIRE
次のページ
“味”が魅力のバブアー 白デニムやローファーで軽やかに