塩野 そうなんですよね、付き合うかどうかの問題です。Fさんの人生の時間をこの上司に付き合うのはもったいない可能性もあるので、別に辞めちゃってもいいと思います。名だたる大企業でもこういう「フリーズドライされた職場」が残っているケースもありますが、今のところそれはスタンダードではなくなってきているので。

他の部署が普通の環境だとすると、「お願いだから部署を変えて」と、まずは中で環境を変えるということを考えるのが現実的かもしれません。

大室 ウソではないということがある程度、裏取りできれば、最近は異動できるケースが多いですね。

塩野 Fさんのお話を見る限り、ハラスメントを受けている面があるので、「だから異動させてください」とストレートに言うのがいいと思いますね。下手にストーリーを作る必要もないです。

コロナ禍では「この職場、異常かも」がわかりにくい

大室 飲み会については、「飲みニケーション」がないと人となりがわからない、だから一緒に仕事をするのが不安だという上司側の気持ちもわからなくもないですけどね。でもプライベートを根掘り葉掘り聞くような踏み込み方はしちゃいけない。そういう踏み込み方ができないからこそ、外資系企業だとよく「ストレングスファインダー」(米ギャラップ社が開発した診断ツール)などを使ったワークショップをして互いを理解するということをやっているわけです。

一方で視点を変えて、若者が多いスタートアップだと、「あの人は最近ふられたばかりだから、ちょっと仕事少なめにしよう」というようなことを平気で言う文化のところもあります。だから上司のあなたにはプライベートなことを言いたくないってことでもあるんですよね。

塩野 たぶん話が面白くておいしいものを食べさせてくれる上司だったらついていくと思うんですよね。なので、飲み会については取捨選択でしかない、という気がします。「予定があるので」と言って断る。1~2年目ではっきりと意思表示するのは難しいかもしれませんが、最終的には両者のためなんですよね。本当は嫌なのに行っても「誰得(だれとく)?」という状態になってしまうので。

コロナ禍のこの環境って、入社1年目や2年目みたいな方にとって気軽に相談できる人がいなくて本当に難しい環境だと思います。「お局さん」に呼び出されるとか、飲み会ではセクハラ発言ばかり、というのが普通なのか異常なのかもわからないというのはひどい話です。ちょっとでもこの仕事場は異常かも、辛いと思ったら社内じゃなくても誰かに相談しましょう。一人で内にこもってしまうと、本当に病んでしまいます。必ず自分にとって快適な場所はありますから、まずは誰かと話をしてそこから脱出しましょう。

(文・構成 安田亜紀代)