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リモートワークの普及や雇用の流動化――。ビジネスパーソンを取り巻く環境が激変するなか、キャリアや仕事の悩みを抱える若手社会人は少なくありません。連載「20代のおしごと相談室」では、メンタル問題のプロである産業医の大室正志さんと、ビジネスのプロである経営共創基盤の共同経営者、塩野誠さんが、20代のお悩みに答えていきます。

今回の相談者は、銀行に勤める社会人2年目の女性社員Fさん。Fさんが配属された支店では、20代は自分1人だけ。職場の人間関係に悩んでいますが、相談できる人がいないと言います。

お悩みカルテ #6
「お局さんの呼び出しと上司の飲み会がつらい」(銀行2年目女性社員)
 今働いている支店には「お局さん」がいます。ほぼ毎日、私だけ給湯室に呼ばれて注意されます。仕事でのことを指摘されるなら新人なので仕方ないと思うのですが、普段のコミュニケーションのことを言われるのがつらいです。例えば、ランチの雑談での何気ない言葉でも、後で呼び出されて「先輩の意見を否定しているように聞こえるから、言い方が良くない」などと注意されます。その方と仲が悪い管理職の人と話していたら、「さっき何話していたの? 余計なこと言わないでね」といったことも言われます。
 今どきこんな昭和ドラマみたいな古い組織文化があるのか、と驚いています。そう感じることはもう1つあって、それは上司の飲み会です。「飲みニケーション」というのは昭和の言葉だと思っていましたが、上司はそれが大事だと言って毎週開催されます。飲み会でする話も、昔自分が獲得した契約のこととか、武勇伝ばかり。聞いたことある話を何度も聞かされます。しかも彼氏の話を根掘り葉掘り聞かれてセクハラ発言も多く、それも気持ち悪いです。先輩方はみんな、これも仕事だから、と言って参加していますが、行かないといけないのでしょうか? 上手なかわし方はあるのでしょうか?

最初に「フワちゃん」化する?

塩野 第3回と同じく「令和なのに」という感じですが、最近こういう相談、多いんじゃないですか?

大室 わりとあるんですよ。社会背景としてバブル崩壊以降、企業が人員を絞ったので、社内の人口分布がいびつになっていて。最近人手不足で若手や新卒を採用するけど、若い人が職場でスーパーマイノリティーになっちゃうケースがよくあります。

昔は職場に若い人の集団があって、そこでお互いちょっと愚痴を言い合いながら「ピアカウンセリング」(同じ背景を持つ人同士が対等な立場で話を聞きあうこと)できたんですよね。だけど今は自分と1番年齢の近い人が30代と、世代が離れてしまっていて、相談できる同世代がいないんです。そのときにフリーズドライみたいに、古い体質の職場がまだ残ってることがわりとありますね。

産業医の大室正志さん(写真右)。産業医科大学産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医や医療法人社団同友会の産業保健部門を経て、独立。現在、大企業からベンチャー、外資、独立行政法人まで30社以上の産業医を担当。著書に『産業医が見る過労自殺企業の内側』(集英社新書)など。

産業医の大室正志さん(写真右)。産業医科大学産業医実務研修センター、ジョンソン・エンド・ジョンソン統括産業医や医療法人社団同友会の産業保健部門を経て、独立。現在、大企業からベンチャー、外資、独立行政法人まで30社以上の産業医を担当。著書に『産業医が見る過労自殺企業の内側』(集英社新書)など。

塩野 世界遺産ですね、もはや。

大室 対処法として、まずその文化の中で生き残る処世術を身につけるのが1つ。2つ目は、人気YouTuberの「フワちゃん」化する。外国人枠というか、人間って自分と完全に違う人に対してあまり何も言わなくなるんですよね。わからなすぎると、嫌みとか嫉妬の対象ではなくなるんです。

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