個性が出せる一点物
――VANの紺×イエローのものや、安藤さんのラルフ・ローレンのグリーンのレタードカーディガン(英文字や数字がデザインされたカーディガン)も雰囲気抜群。アウターとして活躍しそう。
石津「60年代には米国のアイビーリーグの大学生たちは通学にスタジャンやレタードカーディガンを着ていたんだよ」
安藤「こういうニット製品は昔の方がずっしりしていますよね。僕が古着のニットを探すときは、編み目が詰まっているかどうかがポイントです。薄いものは安っぽい感じがする」



石津「こういう重厚なニットは今の技術ではあまり作れない。特に日本では薄手が主流でしょ。だから古着で探すというのは一理ある。古着は本物を探すというのが王道。そうして、本物を生かすコーディネートを考えることだ」
――安藤さんが気に入っているというこちらのバーガンディカラーのカーディガンもすてきです。
安藤「これは原宿の古着チェーンで見つけた、スクーカムの80年代のカーディガンです。色がいいし、革とのコンビのデザインが面白い。ポケットがたくさんあって、車で移動することが多い僕にとってはほんとうに便利で気に入っています」
石津「スクーカムはアワードジャケット、いわゆるスタジャンで有名な会社で、いまでもがちがちのアメカジものを作っているんだ。この革の当て方でいくと、ハンティング用だね」

――安藤さんは服を買うのは古着店がほとんどだそうですが、どこに魅力を感じますか。
安藤「古着って出合いなんですよね。僕は古着屋に行くときはわざわざ何か目的を持って行くことはめったになくて、基本は時間つぶしなんです。ふらっと行って、見つける。一点物、同じものには二度と出合えないところがいいんです」
石津「今の若い子にとっての古着は40~50年前のものではなくて10年前くらいの時代のものかもしれないけど、ZARAやユニクロが好きな世代にとっては、個性が出せるものなんだろうね。ユニクロも好きだけど、アウターくらいは違うものを着たいというときに古着屋に行くんじゃないかな」

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