スタジャンは古着店で 「ビンテージが粋」石津祥介氏古着を楽しむ秘訣(上)

スタジャンは時代を超える。石津祥介さん(右)のスタジャンは1960年代のVANのもの。安藤健治さんのは古着店で1500円くらいで手に入れた(東京都港区の石津事務所で)

新型コロナの感染拡大に伴って増えた「おうち時間」を利用して、ワードローブを見直したという人も多いのではないだろうか。フリマアプリが普及し、街中で古着のチェーン店が台頭する今、不要になった服を手軽に処分できるようになった。その一方で、時代を超えた自分好みの一着に出合う機会も増えた。そう、この「出合い」こそが古着の醍醐味。そこで服飾評論家の石津祥介さんと、古着ライフを謳歌している外資系金融機関勤務の安藤健治さんに、3回にわたって「掘り出し物」探しの秘訣をきいてみる。1回目は今が旬のスタジアムジャンパー(スタジャン)。実は古着店こそが、人に自慢できるレトロスタジャンの宝庫なのだ。




「どっしり、頑丈」も魅力

――スタジャンブーム再来といわれています。石津さんが着ているスタジャン、かっこいいですね。50年ほど前のものだそうですが状態の良さに驚きます。

石津「スタジャンは厚地のメルトンウールなんかでできていて防寒着だから丈夫なの。これは1960年代にVAN(ヴァンヂャケット)が作ったアメリカンフットボールとアイスホッケーの実業団チーム『ヴァンガーズ』のチームウエアで非売品。刺しゅうやワッペンもいいでしょ。スタジアムジャンパーというのは和製英語で、本当はアワードジャケットというのが正しい。野球で活躍した選手に記念品として贈られたことに由来しているんだよ。スポーツウエアというものには世代の壁がない。野球選手なら入団したばかりの10代も、60代の監督も同じものを着る。それがユニホームだ。そういえば読売ジャイアンツの最初のスタジャンはVANが作ったんだよ。オレンジのね」

――ワッペンや刺しゅう、チームのイニシャルやチームカラーがスタジャンのモチーフです。背中側のデザインもまた特徴がありますね。安藤さんのビンテージスタジャンはいつごろのものですか?

安藤「いつごろかは不明ですけど、かなり古い米国製じゃないでしょうか。僕はここ何十年もスタジャンを着ることがなかったのですが、最近のスタジャンブームでなんかいいものないかなあと思い、自由が丘で探して見つけたのがこれ。スタジャンでは基本、袖が革のものが好きなのですが、これがまさにそう。しかも1500円くらいと破格の値段でラッキーでした」

石津「胸のCのイニシャルは何なの? スタジャンはやっぱりスクールカラーとか学校の頭文字だとかを意味するのがいいんだけど」

安藤「おっしゃるとおり、何の意味もなく買うのはどうか、と迷っていました。AかKだったら僕の名前でいいのですが、Cではと……。あ、僕は中央大学出身なので、Cでいいかと思って買いました(笑い)」

「スタジャンの英文字はチームや学校の頭文字を意味するんだけど、安藤さんのは?」と石津さんがたずねると、「中央大学のCです」と安藤さん

――アメカジ(アメリカンカジュアル)をはじめスポーツテイストの服は形が変わらず、時代を超えて着ることができるのが魅力ですよね。古着で掘り出し物が見つかりそうです。

石津「古着じゃなくてもいいんだよ。でも、昔のものを探した方が、案外しっかりしたものが買えるかもしれませんよ。今はどんどん高機能、薄く軽い素材になっているでしょう。でも、60年代、70年代のアウトドアウエアはどっしりと、頑丈に作っていますから」

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