栗は上手に調理して、おいしく食べたい

おいしい栗は重い

栗に限らず、食材には当たり外れがあるもの。栗を買ってきたものの、思ったより甘くなかったといった事態を避けるため、いくつかコツをご紹介しよう。まずは、栗を買う時の見分け方だ。外側の殻の茶色が濃く、形に丸みがあり、ツヤツヤと光沢のあるものが鮮度が良い証拠。さらに、手に持ってみて、重いものを選ぶとハズレが少ない。

買ってきた後、栗の甘さを見分ける時に活躍するのが「塩」である。海水程度の濃度の塩水(水1リットルに対して塩30g・塩分濃度約3%)をはったボウルに、栗を入れてみる。浮いた栗はでんぷんが少ないので甘くない。逆に沈んだ栗はでんぷんが多く含まれ、加熱した時には甘味が強くなる。甘味が弱い栗は砂糖などを加えてスイーツ作りに生かしたり、煮崩れしにくいので煮物にしたりすればよく、甘い栗ならそのまま楽しむなど、使い分けができる。

最後に調理法だ。これには3つのポイントがある。

まずは、買ってきて、すぐに調理はせずに、冷蔵庫で3~4日寝かせる。こうして寒さにさらすことで、栗の中ででんぷん質がどんどん出て、それが加熱した時に糖度となって甘味を引き立ててくれる。

2つめは、急激にではなく、焼き芋のようにじっくりと加熱すること。栗に含まれるでんぷん質は、加熱の際にアミラーゼという酵素の働きで分解されて甘味になるのだが、そのアミラーゼが最も活性化する温度帯が40~70℃。この温度帯に長くさらすことで、栗の中のでんぷん質が余すところなく甘味へと変化する。「栗を茹でる時は水から」と言われるのも、実はできるだけこの温度帯にさらすためである。ステンレスの鍋より土鍋の方が熱伝導が遅いため、じっくりと加熱するのに向いており、おすすめだ。

3つめは、茹でずに蒸すこと。茹でると甘味がお湯の中に溶け出してしまったり、実が水っぽくなってしまい、甘味が薄まってしまう懸念がある。蒸せば、外に流出したり水っぽくなることもない。だから甘味が濃い状態でキープされ、おいしく食べられる。ステンレスの鍋で茹でた栗より、土鍋で蒸した栗の方が糖度が2倍近く高かったというテスト結果もある。

土鍋蒸し栗の調理方法は簡単だ。

①土鍋に少し深さのある皿を入れてから水を入れ、火で加熱する。

②湯気が出てきたら皿の中に栗を入れ、土鍋の蓋をし、1分経ったら、火を消す。

③それから10分経過後、今度は弱火で50分蒸す。

④熱いうちに殻を剥き、渋皮も取るか、栗を半分に切って、スプーンですくって食べる。

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少量の塩で栗がさらに甘く
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