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栗の甘さは塩で見抜く 秋の味覚を上手に楽しむ豆知識

魅惑のソルトワールド(58)

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NIKKEI STYLE

秋の味覚の定番の1つ、栗。店頭でネットに入ったツヤツヤした栗を目にする機会も多いことだろう。モンブランを注文すると目の前で、ケーキ生地と生クリームの上に栗のペーストを絞ってかけてくれるケーキ店が人気を集めたこともあって、最近はちょっとした栗ブームも起きている。

栗の活用範囲は幅広い。モンブランを始め、栗ようかんやマロングラッセといったスイーツ類、炊き込みごはんやパスタ、リゾットやシチューの具材としてや、さらには牛肉や猪肉などに合わせるなど様々なジャンルで使われている。

「栗」は大きく4種類に分類される。日本が原産の和栗、南東欧または西アジアが原産の西洋栗、中国が原産の中国栗、そして米国が原産の米国栗だ。和栗は平安時代から栽培に取り組み、時の朝廷にも献上されていたという京都・丹波地方の和栗がブランドとなっているが、生産量が多いのは茨城、熊本、愛媛の各県だ。栽培品種でいえば「筑波」「銀寄」「丹沢」など40種近くに上る。早生(わせ)や晩生があり、収穫時期は8月下旬から10月上旬まで続く。和栗は総じて実が大きく、風味がよいため加工用・料理用に向いているとされるが、渋皮がなかなか剥がれない、という欠点もあるようだ。

一方、西洋栗はイタリア・フランス・スペインなどで生産されており、和栗に比べると実が引き締まり、粘り気が少ない。その分、食感が良く、渋皮も剥がしやすい。中国栗は小型で果肉が締まっていて堅く、割れにくい。渋皮が剥きやすく、甘味が非常に強く「天津甘栗」に代表されるように、煎ったり焼いたりして食べることが多い。米国栗は大規模な病害が発生したことで、現在ではほとんど生産されておらず、日本でお目にかかることはほぼないが、特徴は果肉が粉質で甘味が強く、渋皮が剥きやすいという点だ。一口に栗といってもそれぞれに特徴があり、用途によって使い分けられている。栗をどうやって食べるかによっても当然、購入すべき栗の品種が違ってくるわけだ。

「渋皮が剥きづらい」和栗は、とかく「調理するのが面倒くさい」という気持ちがわきやすい。しかも茹(ゆ)でた後、冷ましてしまうと余計に剥きにくくなるため、熱々のゆで栗と格闘しないといけないこともしばしばなのだが、そんな人に朗報がある。和栗の渋皮の剥きづらさを解消する品種改良が行われ、「ぽろたん」という実にかわいらしいネーミングの栗が登場したのだ。加熱すれば、渋皮は中国栗と同じくらい簡単にむける。実の甘さが控えめである点など味覚面で改良が期待されるところはあるが、栗好きにはうれしい知らせだろう。

おいしい栗は重い

栗に限らず、食材には当たり外れがあるもの。栗を買ってきたものの、思ったより甘くなかったといった事態を避けるため、いくつかコツをご紹介しよう。まずは、栗を買う時の見分け方だ。外側の殻の茶色が濃く、形に丸みがあり、ツヤツヤと光沢のあるものが鮮度が良い証拠。さらに、手に持ってみて、重いものを選ぶとハズレが少ない。

買ってきた後、栗の甘さを見分ける時に活躍するのが「塩」である。海水程度の濃度の塩水(水1リットルに対して塩30g・塩分濃度約3%)をはったボウルに、栗を入れてみる。浮いた栗はでんぷんが少ないので甘くない。逆に沈んだ栗はでんぷんが多く含まれ、加熱した時には甘味が強くなる。甘味が弱い栗は砂糖などを加えてスイーツ作りに生かしたり、煮崩れしにくいので煮物にしたりすればよく、甘い栗ならそのまま楽しむなど、使い分けができる。

最後に調理法だ。これには3つのポイントがある。

まずは、買ってきて、すぐに調理はせずに、冷蔵庫で3~4日寝かせる。こうして寒さにさらすことで、栗の中ででんぷん質がどんどん出て、それが加熱した時に糖度となって甘味を引き立ててくれる。

2つめは、急激にではなく、焼き芋のようにじっくりと加熱すること。栗に含まれるでんぷん質は、加熱の際にアミラーゼという酵素の働きで分解されて甘味になるのだが、そのアミラーゼが最も活性化する温度帯が40~70℃。この温度帯に長くさらすことで、栗の中のでんぷん質が余すところなく甘味へと変化する。「栗を茹でる時は水から」と言われるのも、実はできるだけこの温度帯にさらすためである。ステンレスの鍋より土鍋の方が熱伝導が遅いため、じっくりと加熱するのに向いており、おすすめだ。

3つめは、茹でずに蒸すこと。茹でると甘味がお湯の中に溶け出してしまったり、実が水っぽくなってしまい、甘味が薄まってしまう懸念がある。蒸せば、外に流出したり水っぽくなることもない。だから甘味が濃い状態でキープされ、おいしく食べられる。ステンレスの鍋で茹でた栗より、土鍋で蒸した栗の方が糖度が2倍近く高かったというテスト結果もある。

土鍋蒸し栗の調理方法は簡単だ。

①土鍋に少し深さのある皿を入れてから水を入れ、火で加熱する。

②湯気が出てきたら皿の中に栗を入れ、土鍋の蓋をし、1分経ったら、火を消す。

③それから10分経過後、今度は弱火で50分蒸す。

④熱いうちに殻を剥き、渋皮も取るか、栗を半分に切って、スプーンですくって食べる。

栗の魅力はその濃厚な甘さだが、甘さを引き出す際に、これまた塩が活躍してくれる。小豆からあんこをつくる時に、少量の塩を入れると、塩のしょっぱさが対比効果として働き、甘味を引き立ててくれるのと同様に、加熱調理して甘味を引き出した栗に、少量の塩を加えるとさらにその甘さを濃厚にすることができる。

少量の塩で栗がさらに甘く

塩と言っても様々な種類がありそれぞれ特徴も異なるため、栗のほくほくとした食感や粘り気も踏まえて、いくつかおすすめの塩をご紹介したい。自分で栗を調理する時はもちろん、モンブランや天津甘栗を買ってきた時などにも、ぜひ途中で塩をつけたりかけたりして楽しんでみてほしい。

▼モンブランにかけるなら

粉糖のように細かくパウダー状の塩を茶こしなどでかけるのがおすすめ。全体にしっかりなじんで、モンブランのなめらかな食感を変えることなく凝縮した甘味が楽しめる。

 雪塩:海水塩/沖縄県宮古島/パラダイスプラン社製

 ぬちまーす:海水塩/沖縄県宮城島/ぬちまーす社製

▼天津甘栗や焼き栗にかけるなら

凝縮した濃厚な甘味と香ばしさをシンプルに引き立てるために、しょっぱさが強く、少し苦味がある塩がおすすめ。栗そのものの水分量が少なくなっているので、しっとりめの塩で水分を足すと、より食べやすくなる。

 赤穂の天塩:海水塩/兵庫県赤穂市/天塩社製

 瀬戸のほんじお:海水塩/国産/味の素社製

▼蒸し栗にかけるなら

甘味が強く水分量が多いので、さらさらタイプで、しょっぱさが弱めの塩がおすすめ。凝縮感も出て、味を濃く感じられる。

 海の精やきしお:海水塩/東京都伊豆大島/海の精社製

 インカ天日塩:地下塩水塩/ペルー/アルコイリスカンパニー製

▼茹で栗にかけるなら

濃厚なうまみや甘味のある塩がおすすめ。

 ひんぎゃの塩:海水塩/東京都青ヶ島/青ヶ島製塩事業所製

 伊達の旨塩:海水塩/宮城県石巻市/山田油業製

モンブランを自宅で作ろうとするとなかなか大変だが、最後に栗を使い、自宅で簡単にできる塩スイーツをご紹介しよう。渋皮を剥く際に形が崩れてしまった栗が活用できる。

▼キャラメルナッツならぬキャラメル栗

① フライパンに水20ccを入れ、そこにグラニュー糖50gを入れて、中火で沸騰させて溶かす。

② ①の端が薄く色づいてきたら、適当な大きさに割った栗(加熱調理済み)を入れてあえる。

③クッキングシートの上に②を四角くなるように置き、冷めるまで放置。

④ カチカチに固まるので、③の上に塩を振る。

⑤ 食べやすい大きさにカットしたらできあがり。

旬の味覚を積極的に食べることは、食の大きな楽しみの1つだろう。旬の栗を思う存分、楽しんでみてほしい。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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