茨城・ひたちなか市の干し芋 自然な甘みと輝く黄金色

2021/10/2
現在はネットリ系の紅はるかが原料の主流に(クロサワファームの干し芋)

サツマイモを蒸してスライスし、乾燥させた干し芋。全国生産量の約9割を占める茨城県の中でも、ひたちなか市が最大産地だ。

ひたちなか海浜鉄道湊線の那珂湊駅に近い「ほしいも専門店 大丸屋」。巨大な干し芋型オブジェを目にして店内に入ると「玉豊」「紅はるか」「シルクスイート」など多彩な干し芋が並ぶ。細長く切った平干し、丸い形の丸干しなど形状も様々だ。

明治期に創業後、干し芋を周辺農家から仕入れていた。今は県内の農場で自ら栽培したサツマイモを秋に収穫し貯蔵。蒸して皮をむきスライスした後、冬場に太陽と寒風のもとで天日干しし、甘さを増した干し芋を出荷している。「明治からの環境にこだわっている」と同店を運営するマルダイフレッシュフーズの大曽根利幸社長は話す。

干し芋は無添加で食物繊維やビタミンが豊富だ。従来は玉豊という品種が主力だったが、2010年にネットリして柔らかい紅はるかが品種登録されてから利用範囲が広がった。

大丸屋の店内には様々な品種や形状の干し芋がずらりと並ぶ

「品質の大部分が決まる土壌管理に力を入れている。2段階の温度で蒸すことで甘さと柔らかさも出している」と話すのはクロサワファームの黒沢武史社長。17年に法人化し、9ヘクタール近い畑でサツマイモを生産している。乾燥工程は天日干しから冷風乾燥機に切り替えた。