日経MJ

2021/11/7

女性が喜ぶラーメン丼、企画はライブ配信から

現在準備が進むのはラーメン丼だ。丼の内側にある渦巻き文様を「『AWESOME』の文字にしたら面白いのでは」と芸人が発案。提案が通ると「幅が狭くて底の深い、モダンな形にしたら女性に喜ばれる」「お湯を注ぐ目安として、内側に目盛りをデザインしてはどうか」などと芸人がさらに意見を出す。視聴者の反応を見ながら、アイデアを商品に反映していく。

オーサムストアの1号店が開業したのは2014年。当初からオリジナル商品を展開し、現在、約20人の担当者で月100品ほど投入する。ライブ配信で商品の企画を進められるのは、積み重ねたノウハウがあるからだ。

レプレゼントはリアル店舗での発信だけでなく、電子商取引(EC)サイトも強化している。店員が自宅で商品を思い思いに使う様子を紹介したり、顧客が商品の評価を書き込んだりできる。店舗に来なくても「にぎわいやワクワクを感じられるようにした」(堀口周作専務)。ECサイトの売り上げは前年比2~3倍のペースだという。

「顧客と直接関わり合うことでニーズを引き出せる」と堀口氏。店舗というオフラインの拠点でオンラインの顧客ともつながる「OMO(オンラインとオフラインの融合)」の強みを生かし、顧客を飽きさせない工夫を重ねる。

30代の女性客は「安くてかわいい商品が多い」と店内を散策する。堀口氏は「買わなくてもいい。まずは知ってほしい」と思いを込める。トーキョー店と名付けたのは「海外の人もここに来れば、オーサムストアについて分かるようにしたかったから」。流行の最先端をいく渋谷の一角で、新型コロナウイルス収束後の海外戦略も練る。

(石崎開)

[日経MJ 2021年9月29日付]

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