日経プラスワン

山口医長は「中でも高血圧は十分に治療してほしい」と念を押す。高血圧を放置すると心筋梗塞や不整脈などが起こりやすくなる。加えて近年は、血圧が高い状態が続くことで起こる高血圧性心不全が注目されている。強い圧力で血液を送り出し続けると、その過度な負担によって心臓の筋肉が厚くなる心肥大が起こり、その結果、心臓のポンプ機能が低下する。「家での血圧測定を習慣化して、75歳未満であれば家庭血圧で最高血圧は125、最低血圧は75未満を目標としてほしい」(山口医長)

息切れやむくみなどの症状があっても、疲れや年齢のせいと捉え、心不全の症状と気付かないこともある。「原因となる疾患を持つ人は、体調に常にアンテナを張り、それが心不全によるものではないかと疑うようにしてほしい」と猪又教授は指摘する。

気を付けるべき症状は、体を動かした際の息切れや足のむくみの他、靴の紐を結ぶなどで前かがみになったときの息苦しさや、横になったときの息苦しさなどだ。「最近、枕を2個使って頭を高くして寝ているといったことがあれば疑ってほしい」と山口医長は注意を促す。

少しでもおかしいと思ったら、心臓の形や機能が分かる心臓超音波検査(心エコー)ができる医療機関で診てもらうことが大切だ。

(ライター 坂井 恵)

[NIKKEI プラス1 2022年8月27日付]

「健康づくり」の記事一覧はこちら

日本の健康経営を推進するポータルサイト

健康経営優良法人認定制度における申請受付をはじめ、健康経営銘柄・健康経営優良法人認定企業の紹介、事例やデータ等を掲載。

>> 詳細はこちら