在宅の仕事場を再点検 集中力保つ空間に、目線を意識

日経プラスワン

互いに視界に入らないように机を配置するなど工夫してみよう=中岡 詩保子撮影

新型コロナウイルス禍を機に、在宅での仕事と出勤を併用する「ハイブリッドワーク」が広がった。ただ家だと集中できない人も多いと聞く。仕事しやすい空間づくりを改めて考えたい。

「オフィスへ出勤できるようになって、在宅勤務でのオンオフの切り替えの難しさを再認識した」「家だとついだらけてしまう」といった声をよく聞くようになった。人それぞれの感覚だが、自宅を含め様々な場所で働けるようになり、違いを意識しやすくなったのかもしれない。せっかくなら在宅勤務の環境も他の場所と遜色ないレベルにしたいところだ。

実際に自宅の仕事場を点検してみて、改善点がないか探ろう。まずはレイアウトについて考える。重要なのが「目線」だ。パソコンに向かう、電話をする、トイレに立つ、コーヒーを飲む……。こうした動作の途中、視界に入る物で集中を妨げられた経験はないだろうか。例えば食卓で作業中、家族の姿、洗っていない食器、洗濯物の山、おいしそうなお菓子、趣味のグッズなどを見て、仕事と関係ないことが思い浮かんでしまう人はいるはずだ。

自宅では仕事と関係のない物・情報が視界に入るケースが職場に比べれば多い。視覚に訴えかける要素を減らすため、壁や窓に向かって作業できるように作業スペースを配置する。机の上や周辺の半径1メートル以内には仕事に関係する物以外置かないのが理想だ。個室を確保できなくても、家具や間仕切りを使い、できるだけ視界を制限しよう。

「書斎をつくるスペースなんてない」という人も、改めて室内を見回してほしい。1畳分の空間があれば書斎にできるといわれている。使用頻度の少ない食器棚や本棚、ダイエット器具を動かしたら空間ができるかもしれない。可動式の小さな机を寝室やウオークインクローゼットの一角に置いてみよう。

子どもの学習机を学校にいる間だけ借りる手もある。フリーアドレスのオフィスのように、必要な人が必要なときに使えるよう共有する。限られた空間を有効活用できる。

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