博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所は2022年10月、Z世代の次にくる「α世代」に関する調査結果を発表した。スマートフォンやタブレット端末といったさまざまなデジタルツールを使いこなし、オンラインゲームに夢中のα世代。現在の彼らの行動から、その特徴を導き出した。

α世代の約35%が、1~3歳からスマホを利用している(写真/shutterstock)
α世代は、オンラインゲームが生活の一部になりつつある(写真/shutterstock)

 博報堂DYメディアパートナーズによる今回の「“α世代”のメディア生活調査」の中で、注目したいのが、「デジタルツールの活用状況」「オンラインゲームの実施状況」の2点だ。2022年に12歳以下である「α世代」が消費の主役に躍り出るのは当面先であるため、彼らを対象とした調査はまだ多くない。そこで、「パソコンやスマートフォンといった各デバイスの活用方法や、20年から小学校でスタートしたプログラミング学習がメディア意識にどう変化をもたらすのかを把握したかった」と、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 上席研究員の野田絵美氏は狙いを語る。

 オンラインゲームに着目したのは、19年に実施した調査で「放課後に集まる公園のように、幼児や小学生がリアルとオンラインゲームを行き来している」と把握していたためだ。「その時からどれくらい活用が広がったのか、遊び方に変化があるかを定量的に把握したかった」(野田氏)

 調査ではα世代と比較するため、22年現在、おおよそ10代前半から20代半ばといわれる「Z世代」を2つに分けて傾向を探った。16~26歳を「前期」、α世代に近い13~15歳(中学生)を「後期」とした。Z世代との違いからα世代にどんな特徴があったか、順に見ていこう。

α世代は「テレビの見方」に変化、スマホ利用の実態は?

 1つ目のデジタルツール活用状況では、「α世代は、ベビーカー時代から親のスマホを触り、今はネットにつながる複数デバイスを活用する」という仮説を立て、各デバイスの使用状況を調査した。スマホやタブレット端末、家庭用ゲーム機、パソコンなど、さまざまなデバイスに囲まれて生活する中、αとZ両世代における最多の回答は「テレビ」だった。α世代の小学生は8割強が利用していた。

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