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治療には薬物療法や心理社会的療法が行われる。薬物療法は発症初期ほど効果が高い。病気の特徴に病識(自分が病気だという認識)がないことが挙げられるが「心理教育で病気が理解できると、能動的に病気と向き合え再発予防になる」と中込医師。

この病気は再発率が高く、再発につながるストレスのコントロールが必要だ。受験、進学、就職、結婚など環境の変化はストレスが生じやすく、再発リスクを高める。生活リズムを整え、心の負担を減らすよう心がけたい。

「アウトリーチ型のサービスは重要で訪問看護は効果的。週に1度でも接する相手がいることが大切」(中込医師)。近年、こうした訪問看護を診療の中心とする個人病院も増えてきた。

「患者さんが感じている不安や恐怖を取り除かないと症状は改善しない。まずは話をじっくり聞くことが大事」と話すのは、だるまさんクリニック(さいたま市)の西村秋生医師だ。「幻聴も本人には聞こえている事実なのでそれを否定せず、つらい気持ちに寄り添うのが望ましい」と助言する。

受診を嫌がり困った際は「市町村の福祉窓口などで紹介してもらえる障害者相談支援事業所での相談も可能」(西村医師)。回復後の生活支援の手助けにもなる。

(ライター 仲尾 匡代)

[NIKKEI プラス1 2022年11月26日付]

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