2021/11/7

ロックもソーダ割りもいける

コンセプトは飲み飽きないお酒で、味わいもやさしめにしてある。「飲み方はロックでもいいし、ソーダ割りもおすすめですよ」と森社長はほほ笑む。前出のコンクール審査委員長も「ソーダで割っても特徴を失うことなく、むしろさらに風味が広がる」とハイボールを高く評価している。

砕いたサツマイモをたるに仕込む

Tea酎の最大の特徴は二次もろみという作業工程で、細かくした知覧茶の一番茶を入れる点だ。小売店で売れば100グラム千円くらいの茶葉を使うのは、二番茶以降だとうまみも香りも違ってくるためだ。自社で東京ドーム1個分くらいの茶畑を管理しており、ぜいたくな使い方ができる。

開発のきっかけは、森社長が焼酎のお茶割りを店で飲んだとき、「おいしかったので自分で作ろうと思ったが、どうしてもお茶が強くなりすぎた」ことだ。そこから、知覧特産のお茶を生かした香りのいい焼酎づくりが始まった。

発酵度合いなどを香りで確認する

商品化にあたっては、焼酎に限らずお酒を愛好する40~50代をメインターゲットに据え、特に女性を意識した。ラベルや箱のデザインも女性に受け入れてもらいやすいように工夫をこらした。

価格は720ミリリットルが1700円(税別)、1800ミリリットルが2900円(同)。全国約20店の酒販店に卸している。注文は電話かファクスのみで受け付け、ネット通販はしていない。直送で対応するが、近くの取扱店を教えることが多い。「どんな飲み方がいいか、お客と相談しながら丁寧に販売してくれる店を選んでいるため」(森社長)という。

事務所内にミニショップも設けた

本社・蒸留所はJR指宿枕崎線の松ケ浦駅から約2キロ、タクシーで4~5分の場所にある。蒸留所に隣接する事務所内にミニショップと試飲の場を7年前に設け、見学とセットで観光客を受け入れていた。新型コロナウイルス禍で現在は見学を中止しているが再開の道を探る。「消費者と会話しながら味わってもらうことが我々の勉強になる」と森社長は語る。

(鹿児島支局長 笠原昌人)

[日本経済新聞電子版 2021年10月28日付]