続・メタバースで変わるビジネス 第1回

米フェイスブック改めメタをはじめ、大手からスタートアップ企業まで続々と参入が進む「メタバース」市場。単なるバズワードで終わるのか、それとも仮想世界で多くの人が過ごす未来が現実のものとなるのか。メタバース時代に勝てるビジネスのヒントを探る特集の第1回は、メタバースの構造と想定されるビジネスモデルを専門家と共に解析し、日本企業の勝ち筋を探っていく。

「メタバース」は、先進ユーザーが切り開いた“遊び場”としてだけではなく、ビジネスの場としても広がりつつある。ビジネス活用の方策を探った(画像/Shutterstock)
「メタバース」は、先進ユーザーが切り開いた“遊び場”としてだけではなく、ビジネスの場としても広がりつつある。ビジネス活用の方策を探った(画像/Shutterstock)

 「メタバース事業に新規参入します」「メタバースに入ってみました!」。2021年後半から盛り上がり始め、半年以上が経過した今も毎日のように関連ニュースがあふれる「メタバース」。バズワードとする見方も根強いが、大手によるメタバース領域への巨額投資が続き、関連ベンチャーへの投資も堅調に推移している。その波はより大きくなり、多様な産業に広がっている。

 改めてメタバースとは何か簡単に説明しておくと、インターネット上に仮想的につくられた、いわば現実を超えたもう一つの世界のことだ。ユーザーは自分の代わりとなるアバターを操作し、他者と交流する。

 21年11月に公開したメタバース特集の第1弾では、なぜ今メタバースに企業が熱視線を送るのか、そして仮想空間でどのようなビジネスが勃興しているのかを紹介。新たなビジネスの芽、経済圏の胎動の様子をお伝えした。続編となる今回の特集「続・メタバースで変わるビジネス」では、さらにメタバースのビジネス活用について掘り進めていく。

▼参考記事(前回の特集はこちら) メタバースで変わるビジネス

メタバースの構造を理解するための「7つのレイヤー」

 ビジネスモデルについて探る前に、理解しておきたいのがメタバースの構造についてだ。どのような技術やサービスが組み合わさることで、メタバースが形づくられるのか。様々な起業家がメタバースの構成要素の持論を展開しているが、その中でも一つの視点としてMogura VR編集長でVRジャーナリストの久保田瞬氏が挙げるのが、ゲームプラットフォームを提供する米BeamableのCEOであるJon Radoff氏の「7つのレイヤー」に分類する方法だ。

▼関連記事(クリックで別ページへ) The Metaverse Value-Chain

 以下がその7つのレイヤーになる。上に行くほど消費者が触れる“表側”に、下に行くほど“コア”に近づいていき、技術的な要素が強くなっていくイメージだ。

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