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大橋ジム会長 大橋秀行氏

大橋ジム会長 大橋秀行氏

昨年12月に行われたボクシングの井上尚弥選手の世界タイトル戦は、テレビ地上波の放送がなく、有料配信されたことも話題を呼んだ。仕掛けたのはプロモーターを務めた大橋ボクシングジム(横浜市)の大橋秀行会長(56)だ。40代前半で業界団体の要職を務めたときは女子ボクシングの解禁、中学生以下の大会創設など改革の先頭に立った。リーダーは変化を恐れず、未来を創造する力と使命感が大事だと説く。

――井上選手の試合は約4000円の有料視聴配信に賛否両論がありました。

「ネガティブな反応の方が多かったかもしれません。今まで無料でテレビで見られていたものが、お金を払わないと見られなくなるのだから当たり前です。でも、新しいチャレンジをするときはそういうもの。選手ファーストで取り組んだことだし、やってみないとわからないこともあります」

「リーダーの一番大きな仕事は決断です。自分はポジティブ思考ですが、ときには石橋をたたいて渡らないこともあります。ただ、否定的な意見を怖がってはいけない。100人が100人全員賛成のものなんて、逆にやる価値がないと思います」

――過去にも同じような決断はありましたか。

「2007年に東日本ボクシング協会、10年に日本プロボクシング協会の会長に就任して、それぞれ16年まで務めました。様々な課題に取り組みましたが、最も思い出深いのが08年にU15(15歳以下)キッズ大会を創設したときです」

「07年に東日本協会会長に就任した際、自分は42歳。周りに担がれて会長になったのですが、U15大会の計画は自分を引っ張り出したずっと年上のジム会長さんたちから猛反対されました。子供に殴り合いをさせてどうするつもりだ、と。もし事故が起きたら大橋会長も終わるよ、と随分脅かされました」

キッズの育成には特に力を入れてきた(大橋会長の左隣は井上尚弥選手)

キッズの育成には特に力を入れてきた(大橋会長の左隣は井上尚弥選手)

――どうやって実現にこぎつけたのですか。

「なぜキッズ育成が必要なのか、それによってボクシング界がどう変わるのか。現状の課題と未来のビジョンを丁寧かつ熱血に語りました」

「当時、日本選手は海外選手と戦うと接近戦でスタミナと手数で勝負するしかありませんでした。理由は技術の差です。米国をはじめ、海外の選手は早いと4歳、5歳からジムに通い、スパーリング(実戦練習)や試合を経験します。日本は中学の部活動にボクシングがなく、高校生にならないと試合をできませんでした。このままだとボクシング人気はますます落ちると訴えました」

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