消費の主役に躍り出ようとしているZ世代。彼ら、彼女らの消費活動は、一体どこで行われているのか。日経クロストレンドはドコモ・インサイトマーケティング(東京・豊島)の協力を得て、同社の人流データを基に、Z世代が多く訪れている東京都内のエリアをランキング化。「Z世代人気スポットランキング(東京版)」として初公開する。なぜそのスポットはZ世代の支持を集めるのか。背景を知ることで、Z世代の心をつかむヒントが見つかるかもしれない。

Z世代に人気の街は?(写真/Shutterstock)
Z世代に人気の街は?(写真/Shutterstock)

 ランキングからは、「若者の街」のイメージが強い定番スポットから意外な場所まで、Z世代に人気のスポットが浮かび上がった。制作に当たっては、ドコモ・インサイトマーケティングの「モバイル空間統計」のデータを活用した(詳細は後述)。

 それでは早速、ランキングの発表だ。1位は「渋谷区道玄坂」で、8083人が訪れた。若者の街として根強い人気の渋谷が、その実力を発揮した格好だ。新宿エリアと池袋エリアにもZ世代がよく集まることが分かる。注目したいのは、22年のランキング7位に「文京区春日」が突如としてランクインしていること。22年までは一度も10位以内に入っていないにもかかわらず、急激にZ世代の人数が増えている。

■ Z世代人気スポットランキング(東京版)2022
■ Z世代人気スポットランキング(東京版)2022
「Z世代人気スポットランキング(東京版)2022」。1位は若者の街として根強い人気の「渋谷区道玄坂」となった。注目は、今回初めて10位以内にランクインした「文京区春日」だ(データ出所:ドコモ・インサイトマーケティング)

 続いて5歳刻みで、19年と22年の人口差分ランキングを見ていこう。こちらでも、15~19歳、20~24歳の両ランキングに文京区春日がランクインしている。19年のZ世代人口は全体で3836人。対して22年には5696人のZ世代が同地区を訪れた。特に15~19歳は19年と22年の差分が1339人で、2位以下と比較して圧倒的な増加数だ。この15~19歳の差分に、20~24歳の差分521人を合計すると、同じエリア内に1860人も増加したということになる。

■ 5歳階級別人口差分ランキング(東京版)※2019年と2022年で比較
■ 5歳階級別人口差分ランキング(東京版)※2019年と2022年で比較
19年と22年を比較した際に、人口が増えた順にランキング化。春日の人口がダントツで増えた。20~24歳階で第2位の「町田市鶴間」は、19年11月に商業施設「グランベリーパーク南町田」が開業したことが人口増加の要因となっていそうだ。なお、同じ地名が複数ランクインしているのは、同エリア内の微妙に異なるスポットがそれぞれ抽出されているため(データ出所:ドコモ・インサイトマーケティング)

 当該エリアには、ちょうど多目的スタジアムの「東京ドーム」や、複合商業施設「ラクーア」が入居する「東京ドームシティ」がある。19年も22年も、ゴールデンウイーク期間中に同施設ではイベントが開催されていたが、何がここまでの増加の要因となったのだろうか。

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