日経プラスワン

気をつけるべきは筋肉量・筋力の低下、ひいてはサルコペニアの発症につながる活動量の低下だ。東京女子医科大学病院リハビリテーション科の若林秀隆教授・基幹分野長は「特に、新型コロナウイルス感染症の流行で在宅勤務するようになった人は、活動量が極端に低下していることがあり要注意」と警告する。予防には「早い段階からいかに“貯筋”するかが重要」(若林教授)。

写真はイメージ=PIXTA

40歳頃から「若い頃とは違う」と感じることが多いが、その段階で意識して筋肉を鍛える運動を生活の中に取り入れ、貯筋、すなわち筋肉量と筋力を貯めることがサルコペニアの発症予防の鍵となる。

筑波大学人間系の山田実教授も「筋肉量と筋力を若いころと同じ状態に保つことは難しいが、スピードを緩めて生活への影響を生じさせないようにすることは可能。筋肉を鍛える運動を継続的に行うことが大切」と強調する。

筋肉を鍛える運動というと、機器を用いた筋力トレーニングなどを思い浮かべがちだが、それらは一般的にハードルが高い。若林教授は「日常生活の中で習慣化できることがいい」と言う。例えば、椅子スクワットだ。椅子に座った状態から太ももに力を入れてゆっくり立ち上がり、座る動作を繰り返す。仕事の合間にも手軽にできる。

在宅勤務が増えてウオーキングを始めたという人もいるだろう。しかし「快適なウオーキングは健康増進につながるものの、貯筋には寄与しにくい。貯筋目的なら、筋肉に負荷をかける必要がある」(若林教授)。息が上がるくらいの早歩きと、快適なのんびり歩きを数分ずつ繰り返すインターバル速歩がおすすめだ。

回数や時間はその人の筋肉量や筋力によって異なる。山田教授は「少し頑張る程度の、適度な負荷を意識するといい」とアドバイスする。負荷が小さ過ぎると貯筋にはならないが、大き過ぎると継続が難しくなるからだ。最初は回数が少なくても構わない。「少し頑張る」を続ければ次第に筋肉が鍛えられ、将来への蓄えになる。

(ライター 坂井 恵)

[NIKKEI プラス1 2022年6月25日付]

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