宇宙での「仕事」を増やしたい

宇宙産業育成が重視され、宇宙スタートアップがブームになった。

スタートアップ企業をやるなら、新しい技術や考え方、イノベーションがないといけません。日本でも多くの宇宙スタートアップが設立されていますが、ちょっと普通のことをやり過ぎていると思います。

例えば私は「打ち上げ市場は幻だ」と言ってきました。再利用ロケットを開発するにしても、従来のエンジンは何百回も使うのは難しく、採算に合いません。極超音速で飛ぶ航空機を1段目にして、そのためのエンジンを開発するといった発想が必要です。イーロン・マスク氏は自分で需要を作り出しています。民間はそれでいいのですが、年50回程度の打ち上げをみて、また宇宙への輸送だけをみて新型ロケットを開発するのでは割に合わないです。

自分がスタートアップを始めるとき、市場は国内ではなく海外を中心にしようと考えました。しかし世界にはライバルがたくさんいます。技術者として「新しいものでないと満足できない」という気質が、ビジネスの上では邪魔になることもあります。商業化が始まったとはいえ宇宙はまだホビーの世界で、大きな収益を上げることは難しいと思います。ただ宇宙に関心を持つ人たちが宇宙での仕事に携わっていける環境ができれば、と考えています。

[日経産業新聞 2020年6月16日付]

「仕事人秘録セレクション」は金曜更新です。


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