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東京一極集中への見直し論議が再び勢いづいてきた(写真はイメージ) =PIXTA

東京一極集中への見直し論議が再び勢いづいてきた(写真はイメージ) =PIXTA

「新型コロナウイルスの感染拡大で観光が打撃を受けたこともあって、地方経済の活気が感じられないね」「衆院選では地方の活性化も議論されているけど、どうすれば元気になるのかな」

地方の活性化についてバーチャルキャラクター、日比学くんと名瀬加奈さんが斉藤徹弥編集委員に聞きました。

日比くん「選挙ではどんな公約が出ていますか」

2つの流れがあります。一つは今ある資源を稼ぎの柱にしようという主張です。(1)再生可能エネルギーの資源の多くは地方にあるため、脱炭素に関連した産業を育てる(2)コロナで傷ついた観光や農業をもり立てる――といった公約が目立ちます。

もう一つは東京一極集中を見直し、地方への人の流れをつくろうというものです。コロナ下で芽生えた地方への関心を広げようと、移住支援などを唱えています。

名瀬さん「地方を訪れると、街を歩いている人が少ないなと感じます」

地方圏の人口減少が始まってほぼ20年です。商店街はシャッターを下ろした店が目立ち、地価は低迷しました。ここ数年、訪日客でにぎわった地域もありましたが、コロナ禍で逆戻りしています。

地方政策は戦後、政府が地域を指定してインフラを先行整備し、工場やリゾート施設を誘致する形で進みました。2000年ころからは企業の海外進出が加速したため企業誘致が難しくなり、地方分権を重視すべきだとして、振興策を考えた地域を政府が支援する手法に変わりました。

14年には人口減少で将来、消滅しかねない自治体が増えるとの懸念から「地方創生」を始めました。雇用を増やし移住を促しましたが、東京圏の転入超過は続きました。人は景気のよいところに集まります。地方の景気回復は遅く、働く環境も東京の方がよいためです。

日比くん「コロナで地方への関心が高まっていると聞きます」

確かに郊外居住や地方移住を考える人が増え、東京圏の人口増加は鈍化傾向にあります。緊急事態宣言が続いて、企業の求人が減った影響もあるようです。帝国データバンクによると、首都圏から移転する企業が増え、21年の企業移転は転出超過になる可能性があります。首都直下地震への考慮もあります。

こうした流れはコロナ後もある程度続くと思われます。若い世代やスタートアップ企業などを中心に、自分なりの豊かさや幸福感の物差しを持ち、社会課題が山積する地方をフロンティアと捉える傾向が出てきているためです。

移住を支援するふるさと回帰支援センターに相談する人のうち7割は20~40代です。国が給与を出して地方で働く地域おこし協力隊は5000人を超えています。ワーケーションや兼業・副業の広がりもあり、都市に住みながら地方の課題解決に携わる「関係人口」も増えています。

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