検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

ポテトサラダの味の決め手 「熱々」と「冷まし具合」

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

ポテトサラダは定番だが、下ごしらえがちょっとめんどうなお総菜だ。ひと手間ひと手間の意味を理解すれば、忙しいときに手を抜くことも、きっちり作ることもできる。

ポテトサラダのレシピには様々な具材や作り方があるが、どんなレシピでも「ジャガイモは熱いうちに潰し、マヨネーズは冷めてから加える」を守るだけで格段に仕上がりが良くなる。

ジャガイモをゆでると細胞同士を接着しているペクチンが溶けてやわらかくなり、細胞と細胞がはがれやすくなる。ここですかさずマッシャーや木べらを使えば、さほど力を加えずにほろりと崩すことができる。ところが時間がたって冷めてくると、細胞の間に残ったペクチンが硬くなり、力を入れてもはがれにくくなってしまう。無理に潰そうとすると細胞の膜が破れ、デンプンが流れ出してしまうので、糊のような粘りが出てベタッとした感触になる。

なお、ジャガイモをゆでる際はお湯に1%程度の塩を入れるといい。下味がついて味なじみが良くなるだけでなく、ペクチンが溶け出しやすくなり、やわらかくなるまでの時間を短縮する効果がある。また、2%程度の砂糖を入れると保水効果によってパサつきにくくなる。しっとりとした仕上がりが好きな人や、時間がたってから食べる場合に試してもよいだろう。

マヨネーズはジャガイモの粗熱が取れてから加える。マヨネーズの主な材料である酢と油は本来混ざり合わない。しかし、卵黄に含まれるタンパク質には、酢と油の間を取り持って乳化させる作用があり、マヨネーズはこれによって酢と油が混ざり合ったような状態を作り出している。

ところが、このタンパク質は熱に弱いので、熱が加わると変性して乳化状態を保てなくなり、マヨネーズは酢と油に分かれてしまう。そのため、熱々のジャガイモにマヨネーズを加えると、油が分離してベタベタ、テカテカとした仕上がりになってしまうのだ。タンパク質の変性を防ぐためには、完全に冷えるまで待つ必要はない。触ったときに「熱い」ではなく「温かい」と思うくらいが目安だ。

野菜の下ごしらえも仕上がりに影響する。ジャガイモ以外の野菜は加熱するか塩もみしてから加えるとよい。

細胞を包んでいる膜は、水を通すが塩分などは通しにくい。このような膜では、浸透圧によって塩分濃度の薄い方から濃い方へと水分が染み出す現象が起こる。したがって、塩分を含む調味料で生野菜をあえると、細胞の中から外へ水分が染み出してくるので、時間がたつと水っぽくぐずぐずとしてしまう。

ポテトサラダのように、交ぜて少しなじませてから食べることの多い料理では、塩もみしてあらかじめ水分を出しておくか、加熱して浸透圧がはたらかないようにしておく。交ぜてすぐに食べる場合は、必ずしも塩もみや加熱をしなくてよいともいえる。

キュウリは塩もみをして、ニンジンはゆでるか電子レンジ加熱してから加えるレシピが多いようだ。玉ネギは塩もみをしてさっと洗ってから加えると、ほどよく辛味が抜けておいしいが、玉ネギの辛味成分・硫化アリルは熱に弱いので、マイルドに仕上げたい場合は電子レンジで加熱してから加えてもよい。

このように、ポテトサラダをおいしく作ろうとすると何かと手間暇がかかるので、いっそ出来合いのものを買ってくるのもよいだろう。

もちろん、手作りならではの良さもある。例えばジャガイモ自体のおいしさを味わいやすいのは、できてから時間がたたないうちなので、手作りに軍配が上がる。

野菜を加熱すると、細胞膜が壊れて水以外の成分も出入りできるようになるため、調味料の味がジャガイモや具に染み込みやすくなる。できたてでは、調味料の味は主にイモや具の表面についているので、かんだときにジャガイモの甘みなど、食材そのものの持ち味を感じやすい。そして、時間がたつにつれて徐々に調味料が染み込んでいき、味がなじんで均一になる。

どちらがよりよいというものではなく好みの問題だが、できたてを食べたり、食べるタイミングから逆算して好みのなじみ加減に調節したりできるのは、手作りだからこその楽しみ方といえるだろう。

◇  ◇  ◇

ゆで2分、塩もみいらず

キュウリはゆでてから薄切りにすると、塩もみをしなくてもポテトサラダによくなじみ、水分が出てしまうのも防げる。キュウリといえば生で食べるもの、というイメージが強いので抵抗があるかもしれないが、だまされたと思って試してみてほしい。

端を切り落として長さを半分に切り、沸騰したお湯で2分ゆでてから取り出す。ジャガイモをゆでている鍋にポイっと入れれば洗い物もお湯をわかす手間も省ける。さっと水にひたして粗熱をとり、薄切りにして手でぎゅっと絞ったら下ごしらえ完了だ。

(科学する料理研究家 平松 サリー)

[NIKKEIプラス1 2021年9月25日付]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_