ポテトサラダのように、交ぜて少しなじませてから食べることの多い料理では、塩もみしてあらかじめ水分を出しておくか、加熱して浸透圧がはたらかないようにしておく。交ぜてすぐに食べる場合は、必ずしも塩もみや加熱をしなくてよいともいえる。

キュウリは塩もみをして、ニンジンはゆでるか電子レンジ加熱してから加えるレシピが多いようだ。玉ネギは塩もみをしてさっと洗ってから加えると、ほどよく辛味が抜けておいしいが、玉ネギの辛味成分・硫化アリルは熱に弱いので、マイルドに仕上げたい場合は電子レンジで加熱してから加えてもよい。

このように、ポテトサラダをおいしく作ろうとすると何かと手間暇がかかるので、いっそ出来合いのものを買ってくるのもよいだろう。

もちろん、手作りならではの良さもある。例えばジャガイモ自体のおいしさを味わいやすいのは、できてから時間がたたないうちなので、手作りに軍配が上がる。

野菜を加熱すると、細胞膜が壊れて水以外の成分も出入りできるようになるため、調味料の味がジャガイモや具に染み込みやすくなる。できたてでは、調味料の味は主にイモや具の表面についているので、かんだときにジャガイモの甘みなど、食材そのものの持ち味を感じやすい。そして、時間がたつにつれて徐々に調味料が染み込んでいき、味がなじんで均一になる。

どちらがよりよいというものではなく好みの問題だが、できたてを食べたり、食べるタイミングから逆算して好みのなじみ加減に調節したりできるのは、手作りだからこその楽しみ方といえるだろう。

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ゆで2分、塩もみいらず

キュウリはゆでてから薄切りにすると、塩もみをしなくてもポテトサラダによくなじみ、水分が出てしまうのも防げる。キュウリといえば生で食べるもの、というイメージが強いので抵抗があるかもしれないが、だまされたと思って試してみてほしい。

端を切り落として長さを半分に切り、沸騰したお湯で2分ゆでてから取り出す。ジャガイモをゆでている鍋にポイっと入れれば洗い物もお湯をわかす手間も省ける。さっと水にひたして粗熱をとり、薄切りにして手でぎゅっと絞ったら下ごしらえ完了だ。

(科学する料理研究家 平松 サリー)

[NIKKEIプラス1 2021年9月25日付]