SK-IIグローバルのスギョン・リー最高経営責任者(CEO)は「日本発祥のSK-IIがサステナブルな方法で作られた日本製品であることが、今後もブランドにとって大切な要素だ」といい、「ルーツである日本市場は、ブランドがこれまで蓄積してきた歴史と伝統を形作るのに欠かせない」と話す。
ラグジュアリーとサステナビリティーが共存
SK-IIは「#CHANGEDESTINY」(運命を変える)というメッセージを発信しているが、それは肌だけでなく人生や、地球の運命も変えるという意味を込めている。リーCEOは「グローバルプレステージブランドとして、社会・環境に対して責任ある活動で業界をけん引する必要がある。環境や社会へのインパクトをふまえた最高品質のモノづくりで最高の体験を提供することで、ラグジュアリーとサステナビリティーを共存させていく」とも話す。
ブランドでは会員制度の「NOWプログラム」で顧客を巻き込んでごみゼロに向けた寄付活動を展開するほか、一部店舗では使用済み化粧品容器の回収も行っている。滋賀工場内には、新たにSK-IIについて学べるミュージアムを設置した。新型コロナウイルスの影響で一般公開は未定だが、顧客や地域住民にブランドの理解を深めてもらう場にしたい考えだ。滋賀工場ならではの先進的な環境への取り組みについても積極的な発信を続ける。
(増田由貴)
1980年に米マックスファクターの日本法人で開発されたスキンケアブランド。91年にマックスファクターが米P&Gの傘下に入り、現在もP&Gが製造・販売する。酵母の発酵で発生する成分を独自に使い、高級基礎化粧品としてロングセラーとなっている。
[日経MJ 2022年9月23日付]
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