日経プラスワン

価格はタイプやメーカーによって差があり、それこそ数千円から5万円を超すものまで様々だ。軽さ、座り心地、機能性をそれぞれどのくらい重視するか。予算に合わせて用意したい。

実際出かけて椅子に座ってからどのように時間を過ごすのか。スマートフォンなどで音楽を聴いたり、読書をしたり、ただぼーっとしたり、くつろぎ方は人それぞれだ。

自然の豊かな場所に行って深呼吸をするだけでも気分転換できる。風に揺れる木の葉や川のせせらぎ、打ち寄せる波、鳥のさえずりといった自然の音には人が心地よく感じるリズムがあることが知られている。「1/fゆらぎ」と呼ばれるもので、心身のリフレッシュに役立つとされる。木陰や河原で椅子に腰を下ろして、周囲の音を何気なく聞いているだけで気分が変わるという人も多い。

チェアリングに慣れてきたら、新たな楽しみを探すのもいいだろう。飲食が可能な場所であれば、弁当を持ってピクニック感覚を味わうのがおすすめだ。ピクニックといっても手作りにはこだわらず、コンビニエンスストアやスーパーで買ったおにぎりや総菜を持っていくので十分だ。

コーヒー豆をひくところから始め、お湯を沸かしてハンドドリップするのも楽しい。お気に入りのコーヒー器具を準備し、その日の気分で豆を選んで出かける。単なるチェアリングと少し違った体験ができそうだ。もちろん火の使用が認められている場所でなければできないので、事前に調べておく必要がある。

キャンプなどの経験がなくても、気軽に始められるのがチェアリングの魅力だ。場所選びでの注意点や周囲への配慮は忘れずに、くつろぎのひとときを過ごしたい。

(アウトドアライター 牛島 義之)

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くつろぎの時間 道具で演出

椅子ひとつで楽しめるのがチェアリングだが、ちょっとした道具を追加で用意することで、より快適な時間を演出できる。例えば折りたたみできる「テーブル」を持っていってみる。食事をしたり、飲み物を置いたりするときに便利だ。

火気厳禁の場所では「保温ボトル」にお湯を入れて持参する。コーヒーをいれたり、カップ麺を作ったりできる。ゴミは持ち帰るのが前提なので、食事後の容器などは「防水バッグ」にしまう。水気があっても安心して持ち運べる。かさばらないのがポイントだ。

[NIKKEI プラス1 2022年9月24日付]