コロナが変えた小売り事情 志やストーリーが評価軸に

「新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから約2年が経過して、買い物の仕方も以前とかなり変わったな」「通販の利用が増えたけれど、対面で販売するお店にはどんな変化があるのかな」

コロナによる小売りの変化について、バーチャルキャラクターの名瀬加奈さんと日比学くんが田中陽編集委員に聞きました。

名瀬さん「2年間で消費の傾向はどう変わりましたか」

時計の針が一気に進んだような気がします。それが顕著なのがネット通販です。総務省の家計調査によると、インターネットで買い物をした世帯の割合は、コロナ前の2019年は42.8%で18年と比べると3.6ポイントの上昇でしたが、コロナ下の20年は48.8%となり19年よりも6.0ポイント跳ね上がりました。直近の21年11月は54.4%です。15年は27.6%でしたから急激に拡大しています。

特に、ネット通販ではなじみの薄かった生鮮品を含む食料品は、19年(月平均)に1411円だったのが20年には2181円、21年11月は3290円にも増えています。

移動手段も変化がありそうです。例えばコロナ禍の前から広がりつつあったシェアリングサービスです。最近、週末に車のナンバープレートの「わ」ナンバー(レンタカーやカーシェアリング)の乗用車をよく見かけます。「密」となりがちな電車を避けたのだと思われます。逆に若者の間で人気の長距離バスの利用はまだ芳しくないようです。

日比くん「新たに登場した小売りや外食の特徴は」

「売らないお店」というショールームのようなお店の存在感が高まっています。来店客が実際に手に取って使い勝手を試したり、説明員から商品の使い方を教えてもらったりして、気に入ればネットなどで購入します。買い物に失敗したくない、体験を重視する若い消費者からの支持が高いです。娯楽(エンターテインメント)性の高い商品の場合は、小売り(リテール)と組み合わせて「リテールテインメント」と呼ばれています。

食事デリバリーは見慣れた街の風景になった(写真はイメージ) =PIXTA

料理のデリバリーが広がる一方で、ゴーストレストランとかダークキッチンといった新しい外食が散見されます。お店の住所に行くと、別のレストランが営業していることがあります。レストランはディナータイムの営業だけで、昼間は別の外食業者に場所貸しをして、その店がデリバリー用の料理を作ります。また、来店を前提としないデリバリー専門の場合、繁華街に店を構える必要がなく、家賃の安い場所に調理場を置けます。

コロナ禍で新しい生活様式が定着し、物珍しさだけで終わることはないと思います。

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