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こうした、健康診断や受診時は基準値内(140/90未満)だが、家庭や職場などで血圧が高くなるタイプは「仮面高血圧」と呼ばれる。通常の高血圧と同様に血管や心臓の病気のリスクが高まることが分かっているが、見つかりにくいのが難点。発見するには「家庭や職場でこまめに血圧を測ることに尽きる」と専門家たちは口を揃える。

特に注意すべきは健診などで130~139/80~89の「高値血圧」と指摘された人や喫煙者、お酒を多く飲む人、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病や心臓の疾患などを持つ人など。血圧は年齢と共に高まり、50代を過ぎると高血圧の有病率は高まることから「特に50代になったら健診などでは問題なくても、血圧を測る機会を設けてほしい」と山口医長は話す。

さらに「40代のビジネスマンでは、管理職になり責任ある仕事が増えストレスや忙しさも相まって血圧が上昇する人が増える印象がある。心当たりのある人は、早い段階から家庭血圧を測る習慣をつけてほしい」と付け加える。

高血圧で薬による治療を受けていて受診時は血圧が良好であっても、実は早朝高血圧があるといった人も少なくない。「重大な病気を防ぐには24時間、適正な血圧を保てていることが大切。家庭血圧を測定して確認してほしい」と苅尾教授は強調する。

(ライター 坂井 恵)

[NIKKEI プラス1 2022年10月22日付]

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