自社製品と「望ましいイメージ」を結びつける有名企業

本書によれば、脳のこうした性質を利用し、米コカ・コーラは年間数十億ドルの予算を投じてコーラとハピネス(幸せ、喜び)を関連づける広告を展開している。同社から発信される「コーラといえばハッピー」と連想させるメッセージを繰り返し受け取ることで、消費者の心にコカ・コーラのポジティブなイメージができ上がる。すると、炭酸飲料が飲みたくなったとき、他社製品よりもコカ・コーラに手が伸びやすくなることは、想像に難くない。

他にも、独BMWの自動車には「完璧さ」、アップル製品には「優美なミニマリズム」など、各社のマーケターたちは望ましいイメージと自社製品を結びつけているのだという。

著者はマーケターたちが私たちの脳をどう攻略しようとしているのか、立ち止まって考えてみてほしいと述べる。購入ボタンをクリックする直前に1分待って、自分は商品の何に魅力を感じているのか、もう一度確かめる習慣をつけてみてはいかがだろうか。

今週の評者 = 倉澤順兵
情報工場エディター。大手製造業を対象とした勉強会のプロデューサーとして働く傍ら、8万人超のビジネスパーソンをユーザーに持つ書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」のエディターとしても活動。東京都出身。早大卒。

「欲しい! 」はこうしてつくられる 脳科学者とマーケターが教える「買い物」の心理

著者 : マット・ジョンソン/プリンス・ギューマン
出版 : 白揚社
価格 : 2,750 円(税込み)